匿名ユーザー
レビュー
高齢化社会をマイナスとして捉えるのではなく、それが当たり前だとしてどう生きやすくしていくのか。 否定的に考えずに、それをどう活かしていくのか?それにシフトして世の中を変えていくべきだ、と言う考えには大いに共感した。 明治から令和まで、日本人がどう生き抜いてきたのか。日本人の思想がどこから来ているのか。 また「暗愁」と言う言葉の意味。 世界共通の人間の根元的感情である 「暗愁」「恨」「トスカ」「サウダーデ」…これを忘れずに生きる。 強く生きなくても良い。 生きているだけで良い。 93歳の著者が行き着いた人生の最終章。
大河の一滴 最終章
五木寛之
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琵琶湖観光大使、達磨研究会会員、麻雀に手話、献血、カルタ競技会に簿記二級チャレンジ、レジのアルバイト… パワフルで真っ直ぐな成瀬が周囲を照らす役割を果たしている。 二百歳まで生きたいと公言していた成瀬。ここにきて「二百歳では足りない…」と漏らすあたりに私は強い共感を覚える。 読書、編み物、華道、茶道、歴史、地理、投資に英会話、韓国語、フランス語、イタリア語習得、手話、点字、旅行、物書き、料理にお菓子作りとやりたいことが沢山有りすぎる私ときっと同じだと思う。 自分に素直に向き合い、それを受け止めてくれる両親や友達とのやり取りに心が温まる。 これからどう成長していくのか、楽しみな成瀬。 そして私と夫にとって懐かしい京都の風景が次々と甦る。北白川、百万遍、哲学の道、南禅寺など。私たちの青春とも重なる目が話せない物語だ。
成瀬は都を駆け抜ける
宮島未奈
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行動経済学とは、 人間がお金に対して抱く心理とそこからどのような行動を取るかと言う「経済学」と言う名の「行動学」だ。 普通経済学と言えば難しい計算や今後の予測をする、みたいなイメージがあるし、貯蓄や株、投資に興味がなければ身近には感じられない。 しかし、これは行動学なので、人間の日常生活に良くみられる心理や行動を統計的実験的データに基づいて検証された学問だ。 経済と関係なくても人の心理を読み解く大きなヒントになり、自分が人生で失敗しないために活かしていくこともできる。世の中の疑問に思う事件や出来事にも大いに納得できることがある。 なぜ、嫌な会社を辞められないのか? →保有効果 なぜ、悪いことを決断する団体がある? →グループシンク なぜ、不必要な保険に入る? →プロスペクト理論 などが挙げられる。 行動経済学を少しでも知っていれば それが今自分にとって本当に必要なのかどうか、冷静に判断を下し行動できることがあると思う。 そして、他人に対して「なぜ?」と、相手を責めるのではなく、「人間はそういう行動を取るものだ」と理解し、 その心理を知ることでゆっくり説得できることもあるだろう。 経済学に興味がなくても十分に読む価値がある一冊だと思う。
世界最先端の研究が教える新事実 行動経済学BEST100
橋本 之克
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毎日の小さなことの積み重ねで人生が大きく好転していくことを改めて実感させられる本。 習慣が人を作る、悩んでいる時は問題と感情を分けて考える、ちょっとした良いことをする、いつも少しの危機感を持つ、ごくごく簡単なことから始める….など。 細切れ時間を大切にする、出ていくお金に「ありがとう」を言う、一瞬の感情を良いものに変える、など。 その都度見直して、丁寧に生きていく。与えられた時間をそうやって過ごしていくことが本当の幸せなのだと思った。 バイブルのような本でした。
いつも機嫌がいい人の小さな習慣
有川真由美
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イケメンや声の良い男がモテるのはなぜ? 年頃の娘が父親を毛嫌いする理由とは? 実は、動物行動学観点からは当然の成り行きなのだ。 孤立感から招く病気。 血液型は、免疫の型が違うことから区別された、など。 知らなかったけど、「目から鱗」な話が盛り沢山。 世の中を違う視点から見るにはうってつけの内容で、生きていくヒントもいっぱいありました。 病気、特に糖尿病にかからないためには孤独にならないことが何よりも大切。人からコンタクトをとって貰えるようにすることが大切。自分のことを心配してくれる人が沢山いる人ほど糖尿病になりにくいと言うデータがある。 他にも私達人間が地球で生き延びていくための戦略が分かります。 題名の「ウソばっかり!」と言うのはこの本の内容に当てはまらないと思います。 正しくは「それは当たり前」「何となくそうかな?」と、感じていたことの中に人間の生存戦略がある、つまりきちんとした理由がある、ということ。 つまりそれは「ウソではなかった! ちゃんと理由があった!」と言うことではないでしょうか? 竹内久美子先生!
世の中、ウソばっかり!
竹内久美子
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喜久雄と俊介。父半四郎からの襲名を受けられず、喜久雄との役者としての格差を埋めることもできないまま出奔した俊介。喜久雄の恋人、春江を伴い放浪の旅に出る。襲名披露で倒れ、帰らぬ人となった半四郎。「親無しは首のないのと同じ」の通り、復帰した俊介と入れ替わるように歌舞伎界で辛酸を舐めた喜久雄。プライベートを暴かれスキャンダルと騒がれる中、芝居の世界に更に没頭していく。 糖尿病で右足切断の後、舞台に立つも絶命した俊介。人生全てを捧げた喜久雄は狂おしいばかりの歌舞伎役者。 凄まじい人生を生き抜く喜久雄にとって、ただ舞台での恍惚感だけが生きがいとなっている。 舞台の上から歴代の役者から見られているような神々しい瞬間が堪らなく愛おしく感じられる…。 人間国宝となるような人は、皆、同じような神々しさを感じながら生きているのかもしれない。 .
国宝 上 青春篇
吉田修一
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風早の街に50年の歴史を持つ星野百貨店。そのステンドグラスに描かれている白い猫が、本物の猫になり、それを見た人の願いを叶えてくれると言う。 コンシェルジュとして赴任してきた芹沢結子が絡む不思議で心暖まるストーリーが次々と展開されていく…。
百貨の魔法
村山 早紀
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人間は、自分の顔、そして自分の姿を自分で見ることはできない。鏡や他人を通してしかその全体は掴めない。自分から見える一部から想像するしかないのだ。そう考えると不思議でならない。 ファッションは、自分をどのような社会に登場させるか、その社会的ディスプレイのスタイルだとも言える。 最近までファッションを語ることが 軽視され、冷笑されてきた。 しかし、コスメ、エステ、ボディメイク、美容整形をも含め、自然な自分の体型を苦痛を伴ってでも「理想のカタチ」にしたいという現代社会にあって ファッションもその重要なひとつだと思う。そう考えるとなかなか奥深い。 これからの「お洒落の基本」は、何になるのか? それは「ホスピタリティ」だと作者は語る。相手を歓待する気持ち。 団扇で風を送る、暑いのに呂や紗 の着物を重ね着する、話をするより聴いてあげる… お洒落とは、自己主張するだけでなく、他人の視線をどのようにデコレートするのか。そんな小さな思いやりがお洒落の基本になればどんなに素敵だろう。まさにパスカルの「繊細のエスプリ」となる。 ファッションに関わるしごとをしきた私にとっての意義を考えさせられる一冊となった。
ひとはなぜ服を着るのか
鷲田清一
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この本を読み終わった後、友達が一人増えた。小澤征爾さんだ。 彼の好きな食べ物は何か、何に感動し、どう生きたいと思っているか、どんな友達がいるか、家族をどれだけ大切に思っているか。 小澤さんの好きな食べ物を持って行っら良いか、どんな話をしたら喜ぶか、私の友達の内、誰を紹介したら話が盛り上がるか… そんなことが分かる本でした。 1960年代の世界を肌で感じた小澤さんだからこそ伝わってくる物がありました。彼の素直で、みずみずしくて、少しやんちゃな目線で見た欧米の姿が良く分かります。 彼の晩年は音楽があればこその闘病生 活だったのだと思います。 元気の出る本でした。
ボクの音楽武者修行
小澤 征爾
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「皇室」と言う特別な環境にお生まれになった浩宮様。そして特別な環境に嫁がれた上皇后美智子様。そして、戦後の皇室の有方を問われる立場の上皇様。将来天皇になられる浩宮様をお育てになられるに当たり、並々ならぬお気持ちで愛情を注がれ、浩宮様の皇室のそして日本の未来をも見据えた考えで1日1日を大切に接して来られた上皇様と上皇后様。 そのお考えを良く理解し、お忙しい両陛下よりもたくさんの時間を浩宮様と過ごされた浜尾さん。 両陛下のお考えが同じであり、先の先まで考えた子育てに感服する場面も多々あったようだ。 やはり、良い子育ては夫婦が仲良くすることが一番の秘訣。 そして、「子育ては先の先まで考え抜いて行っていく」と言うことの大切さ。それを実行されているのが上皇様と上皇后様だと痛感した。 日本国民の日本家庭のお手本であり、理想だと思う。 浜尾さんの「情操教育というのは、日常行動を通して目に見えない微粒子が移っていくような形でなされるものである」と言う下り。 浜尾さんが盲腸で浩宮様の卒園式を欠席した折、両陛下が病院にお見舞いに来られたお姿を見て強くおもったそうだ。人を育てることの尊さを感じる一冊。
浩宮さま
浜尾 実
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大島屋の隠居小兵衛からの注文がどうやって新宮屋に来たのか、川並の建次との出会い。新宮行きの船中で知り合った水戸藩士三人。最後の買い付け交渉の場で祥吉は自分の素性を明かすが その人柄を信用され、建次からも水戸藩士からも咎められることなく無事に買い付けを済ませる。 江戸時代の船旅の困難さや江戸と新宮の違いや当時の賑わいがとても良く分かる。そして何より、どんな稼業をしていても堂々と自分の考えに従って生きていくことの大切さ。人間として大切にすること、潔い態度が人を動かす、と言うことが良く分かった。 ただ、小説として残念なことがある。前半の面白さに比べて、結末が少しみすぼらしく感じられる。道中、大次郎の素性がバレてくるところなどスリルもあり、建次が新宮に慣れていく場面や水戸藩士のエピソードなどとても納得がいき、一つ一つ感動できる。 しかし、水戸藩士三人がいかに命を掛けているかが理解できると言う説明の為に、祥吉が自分の素性を目の前で明かすのか? しかもどのように明かしたかは、詳しくは書かれていない。 祥吉がどれだけこの大仕事に思い入れがあるか、と言うことに繋がるのだろうが、動機付けにしては、私にはとても弱い感じがする。 少し、結末が残念な気がする。 (一力さんの作品には、こう言う傾向か少なからずある。忙しくて結末を急いだのかな?とも思ったりする)
いかだ満月
山本一力
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自分自身のことをここまで冷静かつ客観的に描いた人は、作家でもなかなかいないような気がする。 義母から「不幸な娘。お金の取れる女優」としか扱われない関係もバッサリ割り切っている。 そして、谷崎潤一郎、川口松太郎や梅原龍三郎などの作家や画家、東海林太郎に可愛がられたこと。杉村春子や田中絹代、成瀬巳喜男、木下恵介との交流など、貴重なエピソードも見逃せない。 これを読めば、戦前・中・後の映画界 のこともほぼ分かると言う年代物でもある。 秀子さんの頭の良さ、決断と思い切りの良さ、そして優しさを口だけではなく行動で表せる人間性が、周囲の人から可愛がられる要因だと思う。 独身時代、家庭には恵まれなかったが 子役の頃からの人間性を見抜く力で 周囲を惹き付け、幸せを手にしたのではないか。 それは、自分の運命を恨むのではなく、ただ受け入れ、カラッと笑ってその時にできることを精一杯やってきたからだ、と言う気がしてならない。 「明るい人」とは、こんな人のことだろう。明るくできるのは、そんじょそこらの生半可な根性では到底できないことだ。 尤も本人は「私には、そんな気持ちも時間もあるかい!ただ只管仕事に追われていただけよ❗」だとアッサリ言うだろう。なかなか読み応えのある作品だった。こんな自叙伝が書ければ最高だと思う。
わたしの渡世日記 上
高峰 秀子
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1930年(昭和5年)放浪記がベストセラーとなり、その年、中国満州・上海旅行に行ったのを皮切りに、1931年シベリア鉄道でヨーロッパ、パリに滞在。1932年ロンドンに滞在。 その後も日本国内を旅し、まさに放浪した作家だった。 戦前の海外事情や樺太、シベリア鉄道など、今では経験できない情景が描かれていて、とても興味深かった。 それにしても当時の女一人旅がどんなに勇気のいることか、林先生の好奇心と勇気に感服するばかり。 言葉でなはく、相手に興味を持つ、相手を受け入れることが時代や人種に関係なく如何に大切なことか、良く分かる気がする。地球上の人間を理解したい、と言う林芙美子の情熱が感じられた。
下駄で歩いた巴里
林芙美子/立松和平
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国際線のパイロットは、仕事の半分を夜フライトしている。 空の青と海の青。様々な気象、宇宙条件であらゆる種類の「青」を見ることが多い。一番好きな色は「ブルー」というクルーが多いそうだ。 そんな世界があることを知るキッカケとなったことは大きい。 夜の白ナイルと青ナイル、月明かりに照らされる水面、城壁で囲まれた都市、山手線が走る円の都市東京。 ケープタウンプ、イスタンブール、コペンハーゲン、確かな位置を把握していなかった都市。ウプサラ(スウェーデン)など地名も知らなかった都市。 一つ一つ地図で確かめながら、描かれた風景を想像する楽しさに惹かれた。 中学時代、夜中に城達也さんのラジオ番組「ジェットストリーム」を聴きながら海外に憧れていた頃を彷彿とさせるエッセイだった。 新たな視点で世界を見る機会を得た。
グッド・フライト、グッド・シティ
マーク・ヴァンホーナッカー/関根 光宏/三浦 生紗子
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「どんな人生にも意味がある」 フランクルの考えを分かりやすく 諸冨先生の体験を通して等身大で解説。
[新版]どんな時も人生に「Y E S 」と言う
諸富 祥彦
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7人に共通するのは、目先の利益だけではない、遥かに大きな目標を持って生きていたこと。それを貫く為に、自分だけではない、日本や世界を見据えていたこと。そして、今だけではない将来を見通して行動を起こしたこと。 何が大切で、将来に繋がるかを見極める力があったことが大きい。彼らがいればこそ、今の日本がある、と言える。
戦前の大金持ち
出口 治明
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マーニーは、アンナの祖母であるマリアンだった。マリアンの娘エズミは最初の結婚でマリアンナを授かったが、直ぐに離婚。再婚相手とのハネムーンの途中、交通事故で亡くなってしまった。娘のエズミの子マリアンナを幼い頃から育てていたマリアンは、娘夫婦が亡くなったショックから立ち直れず、その年重い病気で命を落としてしまった。幼い頃寂しい思いをしたことから、娘エズミの子、マリアンナを殊の外可愛がっていた。児童ホームに預けられたマリアンナは、プレストン夫妻に引き取られたたのだった。 この不思議な話は、人間の本質について語っているような気がしてならない。人の遺伝や柵、思いが絡み合い、 その時に繋がった人々と織り成す布のようだ。それには愛情が大切だ。
思い出のマーニー
ジョーン・G・ロビンソン/高見浩
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西洋絵画の見方を詳しく説明してくれている。基本的な知識から時代背景、画家の人生など、次回から美術館へ行くのが楽しみになる。 「絵画は精神的なもの」と言うレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉が心に響く。同じ絵を観ても、今までとは違うものが見えるような気がする。
ネタバレを読む
カラー版 名画を見る眼1
高階 秀爾
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国を越え、言葉を越えて人と出会い、絆を深めていくことの難しさ、苦労。 そしてその困難があればこそ、知己の友となれる喜び。 私にもそんな経験ができればとも思い、現在関わっている人の中にきっとそうなれる努力が必要だと感じさせられた。まず、自分が何をしたいのか、何が好きかをハッキリさせて貫くことが一番だと思った。そして今の繋りを 大切にすること。 オックスフォードで学位を取ることがどんなに辛いことか、分かった気がした。チュートリアルで教授と1対1のレクチャーがあり、逃げやごまかしは利かない。最後まで「何を伝えたいのか」核心部分まで突っ込まれる。 しかしそれは、人間の生き方を問われることと同じだと思った。 私もいつか、素敵な経験をしたいと思った。
赤と青のガウン
彬子女王
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フレッドは、妻が亡くなった後もデトロイト美術館所蔵のセザンヌの妻「オルタンス」にしょっちゅう会いに行っている。美術館の所蔵品が、デトロイト市の財政破綻によって売却されるかもしれない、となった時に500ドルの小切手を握りしめ、チーフキュレーター、ジェフリーに会いに行った。 一人の市民がチーフキュレーターを動かし、裁判官の心をも動かした。 寄付を集めることで、コレクションも年金受給者も救ったと言う話。 デトロイト市民フレッド、コレクションの基となる作品を集めたタナヒル、チーフキュレータージェフリーの三人の観点から書いている点が興味深い。 裁判官クーパーの「グランドバーゲン」と言う考えが形となり、目標額を達成できた。 フレッドのような市民がいることを誇りに思う、あなたがいてくれたからこそ奇跡は起こったというジェフリーが、彼に伝えた言葉にこの話の総てが集約されていると思う。
デトロイト美術館の奇跡
原田マハ
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