レビュー (6件)
喜久雄と俊介。父半四郎からの襲名を受けられず、喜久雄との役者としての格差を埋めることもできないまま出奔した俊介。喜久雄の恋人、春江を伴い放浪の旅に出る。襲名披露で倒れ、帰らぬ人となった半四郎。「親無しは首のないのと同じ」の通り、復帰した俊介と入れ替わるように歌舞伎界で辛酸を舐めた喜久雄。プライベートを暴かれスキャンダルと騒がれる中、芝居の世界に更に没頭していく。 糖尿病で右足切断の後、舞台に立つも絶命した俊介。人生全てを捧げた喜久雄は狂おしいばかりの歌舞伎役者。 凄まじい人生を生き抜く喜久雄にとって、ただ舞台での恍惚感だけが生きがいとなっている。 舞台の上から歴代の役者から見られているような神々しい瞬間が堪らなく愛おしく感じられる…。 人間国宝となるような人は、皆、同じような神々しさを感じながら生きているのかもしれない。 .
0
ロングランを続けている映画の原作版。 豊島さんが宮崎移住の餞別にプレゼントしてくれた。 ストーリーに引き込まれ一気に読んだ。 歌舞伎という知らない世界を垣間見る。芸一筋にすべてをささげる主人公の潔さと付きまとう孤独。そこに渦巻く人々の人情と嫉妬や打算。すべてに圧倒された。
1
映画で話題となっている作品の上巻を、Amazon audibleにて聴きました。 立花喜久雄が、歌舞伎の世界に足を踏み入れ、挫折を味わいながらも成長していくところまでが収められています。 歌舞伎の演目だけでなく、『家系の血』の重みや、本人だけでなく妻を含めた家族の大切さと大変さが描かれており、壮大な物語です。 下巻もAudibleで聴くのが楽しみです!
1

