成瀬は天下を取りにいく

成瀬は天下を取りにいく

宮島未奈
新潮社 (2023年3月17日発売)
ISBN:9784103549512
本棚登録:669

作品紹介・あらすじ

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。各界から絶賛の声続々、いまだかつてない青春小説! 中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない! 話題沸騰、圧巻のデビュー作。

感想・レビュー (20件)

本屋大賞の受賞作である本書は、期待通りの面白さ、そして期待以上の読みやすさでした。 我が道を往く成瀬のキャラが絶妙で、程よいギャグ要素と大津市への郷土愛も相まってとても良かったです。 是非200歳まで生きて欲しい!

宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」読了。 王様のブランチで紹介されてた本。テレビで紹介されると途端に買う気失せる天邪鬼気質&ハードカバーは買わない主義の2つを押しのけてまで読んでみたいと思ってしまったやつ。初めて読む作家さん。最終的に買うのを決めたのは最初の1行。 「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」 掴みはバッチリだ。途中でM-1に挑戦する場面も描かれるので、やはりこの作者さんも掴みをわかってるのであろう。しっかり掴まれてしまった。 冒頭は成瀬を見守る幼馴染み島崎の目線で成瀬の生き様が語られる。この島崎がまたなんかいいのである。島崎と同じように成瀬の生涯を見守っていたいと言う気持ちになる。 そう思ってしまうほど、 成瀬が実に魅力的なのである。 「200歳まで生きる」とか「M-1に出る」とか突拍子もないことを言うのだが、実に大真面目なのである。 成瀬はいう 「いろんな種を蒔けば、ひとつでも花が咲くかもしれない」。 島崎はいう「それはホラ吹きである」 でもそのホラの行く末を見たくなっちゃうんだよね。わかるよ島崎。 話は島崎からの視点だけではなく、 いくつかの視点で語られる。 文体が軽快でリズム良く読めるので、 ほぼ一気に読み終わってしまった。 ひとつのいい映画を見終えた感じ。心地よい。

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」 インパクトあるセリフで始まる本書、文庫化になるのが待ち切れず、ついに購入しました(*ノω・*)テヘ 面白かった!成瀬のキャラ自体憎めないが、彼女の周囲の人たち(島崎や大貫など)の存在が、より成瀬というキャラを魅力的にさせていると思いました! ギャグ要素もありサクサク読めるので、普段あまり読書をしない方にもオススメです♪

周囲にどう思われようと気にしない、わが道を突き進む成瀬に目が話せない!ノンストップで読破できる痛快青春小説!

んー正直そんな面白くなかったー 成瀬のように自分の思うまま生きてみたいなとも思うが、なかなか無理だろとも思ってまう。

読み終わる頃には、読者は成瀬あかりのファンになってしまっている、恐ろしい小説。 天才肌だけど憎めない成瀬あかり。 この匙加減に作者の力量が光る。 あかりの友人で、自称凡人の島崎みゆきがこれまた良い味を出している。

今は取り壊された、滋賀県の西武大津店を背景に、青春ストーリー。 実在する高校名もでてきてリアル感があった。オバちゃんが読んでもホロリとする場面もあり良かったです。

果たして、成瀬が同じクラスにいたとして、私は友達になれるだろうか? 運動も勉強もできる(けん玉や手品も得意)、だが、空気を読まず興味の赴くまま行動する成瀬。 多分、一定の距離をとって観察するだろう。 (関わったら面倒くさい、と) (たが、)そんな成瀬にも島崎という友人がいる。M1出場を誘うほどの仲(?)の友人だ。島崎が成瀬を見る目は厳しくも温かい。 成瀬のぶっきらぼうなセリフからロボット的な口調を想像してしまうが、(彼女にも)感情はあるらしい。最終章で彼女の心の動きがみえてくる。 解説にあるように、成瀬の自由さは周りの人を自由にする。 タイトルの「成瀬」を「自由」に読み替えてみる。きっと誰にとっても過ごしやすい世の中になるのだろうな。 この本を手に取った中高生には、ぜひ、解説まで読んでほしい。 (みんなが成瀬になるために。) 補足 高校入学時の成瀬の自己紹介の場面、サイコー。

成瀬あかりが完璧な天才やヒーローじゃないところが良かった。レッツゴーミシガンが1番好きな話でした

成瀬の造形がよかった

地元!膳所の愛情溢れる青春ストーリー 読んでいて爽やかな気持ちになった。

人間くさくてあたたかいひとたちばかり。最終章だけが成瀬の一人称であり、謎に満ちた成瀬の心境を見られてよかった。

恋愛したり病気したり苦しんだり感動したりっていうのに疲れた本読み達が一周してここに戻った。錦鯉がM-1優勝した感じ。身近にいたら応援したい、こうありたかった理想の主人公。さらっと1日で読める。

2/1読み終わり。3,4ヶ月前に予約してたのがやっと順番回ってきた。読みやすいけど、なにが人気なのかは分からない…。成瀬が小学生から高校までの頃のこと。先に「信じた道をゆく」から読んでしまったのだけど、中学生で漫才を始めてM-1に出たり、高校入学で坊主にして3年間でどれだけ伸びるか実験してたり。高校で始めた部活のかるた大会で、成瀬を好きになった男の子が現れたり。という内容。

高校生の成瀬あかりが、魅力に溢れていた。 天下を取りに行くなんて、でっかいこと言ってるけど、小さくても目標に向かって、淡々と進んでいく姿!逞しくてあっぱれ。 回りを気にしすぎる生き方ばかりのひとから見たら、マイペースでいられる生き方は羨ましい限り。 どんな大人になっていくのか気になる。

独特の性格と感性を持った成瀬が主人公で、滋賀県大津市を舞台にした作品。親友島崎とのゼゼカラ漫才の関係も面白い。西武大津店の閉店、高校同窓生の繋がりなどいろんな出来事があり、文章も読み易くどんどん読める。。最後は、ときめき夏祭りで地域を盛り上げ、爽やかな気分になる。

面白かったなぁ。テンポ良く爽快。

私ももってます。おかあさんが読んでます。 やましろあやか

我が道をいく成瀬好きです