
カニくん
レビュー
今年の秋も登場"Jミステリー"! 今回も豪華な顔ぶれの書き下ろしアンソロジーは面白かったです。 お気に入りは以下になります。 ・『それはない』(誉田哲也) ・『21グラム』(葉真中顕) ・『秋吉善吉工務店 昭和編』(中山七里)

Jミステリー2025FALL
光文社文庫編集部/誉田哲也/葉真中顕/真梨幸子/五十嵐律人
Kindleで読んだ本が文庫化したため再読。 ミステリ好きがミステリ好きのために書いた1冊は、古今東西のミステリ小説の名前が出てきて楽しめます。 また話もしっかりと面白く、560ページとそこそこありますが、一気に読めました。

硝子の塔の殺人
知念 実希人
小さなピザ屋で起こった殺人事件を4人の視点から交互に描いた物語 視点が変わる事に意外な事実が判明していくため、続きが気になってどんどんと読んでいきました! ポップな書き方もあり、重さを感じずに楽しく読める1冊です。

クワトロ・フォルマッジ
青柳碧人
読書仲間から勧められ、読んだ1冊 著名人17名によるロイヤルホストについての想いを綴ったエッセイ+藤井隆さん、ハリセンボンお二人の特別鼎談から成る内容で、とても読みやすく、読んだあとはロイホに行きたい!となりました。 特に好きなエッセイは ・褪せない夢(平野紗季子) ・石坂線と神楽坂(宮島未奈) ・細部の魔法(似鳥鶏) ・クイズ★どこの店舗でしょ〜か!?(朝井リョウ)

ロイヤルホストで夜まで語りたい
朝井リョウほか/朝日新聞出版
5篇から成る連作短編集 悩みを持つ5人がそれぞれの章の語り手ですが、どの話にも出てくるタケトリ・オキナの『ツキない話』というラジオが物語の鍵となります。 読んだあとは温かく、前を向ける気持ちになれる青山さんらしい作品です!

月の立つ林で
青山 美智子
福島県猪苗代湖で毎年開催される音楽フェス「オハラ☆ブレイク」のために毎年書き続けられた連作短編集をまとめた1冊 テンポよくて視点が変わり、そして段々と繋がっていく物語という伊坂さんらしい作品です。 猪苗代湖に行きたくなる1冊です!

マイクロスパイ・アンサンブル
伊坂幸太郎
同じ1日を何度も繰り返す特殊な体質をもった主人公・久太郎が、祖父の死を回避するために奮闘するという物語 『SFミステリー』ですが、コメディ要素や恋愛要素もありのため、楽しみながら読了することが出来ました。 登場人物の相関図は複雑ですが、個性豊かなキャラクターはわかりやすく、混乱することなく読むことが出来たのも良かったです。

新装版 七回死んだ男
西澤 保彦
読書仲間に本を借りて読みました。 初めての作家さん。 ブックカフェに訪れる悩みのある人達に、美味しい料理と処方箋となる本を紹介します。 温かみのあるストーリーと余韻の残る終わり方、更に美味しそうな料理の描写が良かったです。 処方箋として出ている本は、タイトルは聞いたことはありますが、読んだことのないのがほとんどだったので機会があれば読みたいです!

ドゥリトル先生のブックカフェ
賀十つばさ
岩波少年文庫のフェア対象本で手にした1冊 「寺田物理学」や「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉で有名な戦前の科学者・寺田寅彦の随筆集 日常の何気無い事柄から寺田が感じた人生観といった様々な内容に関して、科学と文学を調和させたエッセイです。 読みやすくて好奇心をくすぐる1冊でした! 特に印象に残っているのは、 ・災害の警鐘を鳴らす『津浪(つなみ)と人間』 ・師と仰ぐ夏目漱石との想い出を綴る『夏目漱石先生の追憶』 ・科学者について語る「科学者とあたま」 です。

科学と科学者のはなし
寺田 寅彦/池内 了
"魞沢くん"シリーズの櫻田さんが本格ミステリーを書いたと知って、気になって単行本購入しました。 地道な捜査で少しずつ真相が見えてくる過程と、親近感がわく警察官のキャラクターが良かったです。 櫻田さんの作品は色々と読みたくなる魅力があります。

失われた貌
櫻田 智也
凪良さんが2度目の本屋大賞を受賞した作品の文庫本 櫂と暁美、瀬戸内海で出会った2人の視点で物語が進みます。 読んでいると、色々な感情が湧いていました。 ネタバレになるので、多くは語れませんが、本当に素晴らしい作品です! 凪良さんの書くお話を、もっともっと読みたくなりました。

汝、星のごとく
凪良 ゆう
499円という手軽さと、スマホと同じサイズの書籍という面白さに惹かれて手に取りました。 ページの左側が文章で、右側が主人公が見ているスマホ画面という斬新な形態です。 著書・知念さんが描くホラーというのも見たことがなかったので、新しいことだらけの1冊でした!

スワイプ厳禁 変死した大学生のスマホ
知念実希人
渋沢栄一の出身地に行く機会があり、『論語と算盤』に興味を持ちました。 著書にいく前に、漫画で書かれた本書が分かりやすいと思って手に取りました。 項目ごとに『論語と算盤』で述べてることを噛み砕いて説明しており、分かりやすかったです!

まんが 超訳「論語と算盤」
渋沢栄一/渋澤健/山本時嗣/今谷鉄柱/新津タカヒト
『新潮文庫の100冊』の対象本になっており、有名な作品ながら読んだことがなかったので、手に取りました。 高校生が持っていると『陽と陰』の感情を緻密に描かれており、読みながら自分の過去を思い出すことがしばしば💨 不朽の青春小説と呼ばれるに相応しい1冊でした。

夜のピクニック
恩田 陸