すだれ
レビュー
書籍化に時間がかかったと聴いて、一抹の不安があったのだが(作者が書籍化を渋るほど凡作であることが多い)、全くの杞憂だった。 もう一度麻生と練に会えたのも嬉しいが、読者を惹きつけて離さないストーリーテリングの巧みさが憎い。 気がつけば、晩秋の、新潟の山奥の鄙びた温泉地に立っていた。 第二部が待ち遠しい、
初雪 海は灰色 第一部
柴田よしき
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上原浩治の雑談魂で入来さんを見て、どんな人か興味が湧いたので読んだ。 この本が出た当時は用具係だったが、2026年現在は横浜のコーチをしている入来さん。用具係から現在の投手再生工場まで、どんな変遷があったのか、そちらも気になる。 もし、この本の文章を入来さん本人が書いたのだとしたら、驚くべき文才の持ち主。後ろにコーディネーターがいたとしたら、入来さん本人の個性に寄り添っていて素晴らしい。
用具係 入来祐作 〜僕には野球しかない〜
入来祐作
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コーヒーがゆっくり飲みたくなる小説。 父から継いだ鎌倉のカフェ兼住居で、ひょんなことからシェアハウスをすることになった香良。そして、そこに集うのは、それぞれに事情を抱える年もばらばらな独身女たち。 そこまで目新しい設定ではないが、この作家さんは本当に人を描くのが上手くて読ませる。
鎌倉駅徒歩8分、空室あり
越智月子
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この作者の作品の中では、至って普通の出来のミステリシリーズ。 だが、この作者がヒリヒリするような傑作をものするためには、こういう「帰ってくる場所」のようなシリーズ小説が必要なのかなと思う。 安定感があるので、読者としても安心して読める。
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二月に憂鬱な君へ
西條奈加
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主人公を四面楚歌の状態に置いてドラマを生み出そうとしたけど失敗した、みたいな小説。 それぞれのコンセプトは良いが、もう一人くらい主人公の圧倒的な理解者を配置しておかないと、主人公がこの境遇に踏みとどまっている説明としては弱い。 主人公がそこそこ賢いという設定であれば尚更、児童相談所に泣きつく、教師を通じて行政にわたりをつける、という方法を取らなかった理由がわからない。 また、父親も公務員であれば、妻子を捨てる行動を取らない(暴露されたときの職場でのダメージが大きい)だろうから、そちらもなんだかなあ、という感じ。 小説というものは、登場人物に共感できるできないは問題ではない。登場人物の行動や思考に納得できるかできないかが問題なのである。その意味では、非常に納得感の薄い小説だった。
はるを呼ぶ
実石沙枝子
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東野圭吾らしいミステリ。 被害者と加害者の子供たちが、事件に違和感を持ち、それが確信にかわる過程がやや強引な気がしたが、松本清張に比べればかわいいものである。 張られた伏線が見事に回収されていくのはお見事。
白鳥とコウモリ(下)
東野圭吾
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読みやすいライトなエッセイ。 可もなく不可もなく、といった印象。
60代、日々好日 時々ため息
唯川恵
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不思議な縁で繋がった家族の物語。 こてこての恋愛小説は苦手なので、これくらいの塩梅が丁度良い。 それにしても、女性編集長の夫。思考回路が完全にホラーだが、どこかに存在していそうで怖い。 これが男女平等、ハラスメント撲滅社会の延長線上にあるのだとしたら、ちょっと笑えない。
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星を編む
凪良ゆう
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細部までしっかり作り込まれた活劇小説。 榎田ユウリ、本当に巧い、と唸ってしまう。 ハラハラあり、アクションあり、主人公の成長あり、なおかつ読者の「わかるわかる」も刺激する。 100点満点の娯楽小説である。 グロリアさんとはまたどこかで会いたい。
殺し屋がレジにいる
榎田ユウリ
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納得のクオリティのシリーズ第2巻。 文学にまつわる謎解きも相変わらず楽しい。
月夜行路 Returns
秋吉理香子
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短編映画のような小説。 ものすごく面白いかといえば微妙だが、読み終わってみれば、誰も不幸になっていない優しい物語だった。
ぬすびと
寺地はるな
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少女漫画界のレジェンドによる自伝。 天才少女現る、と華々しくデビューしただけに、一部の心ない人たちからの誹謗中傷も凄まじかったと推察する。 無記名でのバッシングは顧みる価値なし、と言い切る強さ。 SNSでバッシングされる人が多い令和の世にこそ刺さるのではないだろうか。 久々に里中作品を読み直したくなった。
漫画を描く
里中満智子
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これから更に伸びてきそうな作家さん。 普通が一番難しく、捉えづらいと思わされる。 一点、長男が母親の職歴を知らなかったシーンがあるが、母親退職時の彼の年齢を考えると、そんなことがあるか?と思う。 それ以外は、よく練られた小説だった。 特に長女が抱えている同居相手に対する悩みは、一つの問題提起としてハッとさせられた。多様性のある社会では、これからこういうことが増えてくるのかもしれない。 それに対して作中で示された解決策は、個人的には腑に落ちるものだった。
ふつうの家族
辻堂ゆめ
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やや伏線があざといか。 でも、私はまんまと引っかかりました。キーパーソンがまさかあの人だったとは…。 中学受験ものといえば、親子の葛藤に焦点があたりがちだが、そこがメインディッシュではなかったのが新しい。
修羅の桜
秋吉理香子
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フィリピンの入門書にうってつけの一冊。 太平洋戦争時の日本軍の残虐行為については多少知っていたが、それ以前の交流史は知らないことだらけだった。 戦前の日本人にとってフィリピンは出稼ぎに行くところだった、ということも知らなかったし、「南の満洲」という言葉も初めて聞いた。 もっと学びたいと思うような、良い本だった。
フィリピンと日本人
野村進
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当事者としての赤裸々な思いに貫かれた、代理婚活ノンフィクション。
ウチの子の、結婚相手が見つからない! 親の代理婚活でわかった「結婚の壁」
石川結貴
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非常に巧い作家。 四姉妹それぞれの個性の見せ方、書き分けも上手である。 家族であるがゆえのままならなさ、逃げようのなさも描きつつも、折り合いをつけて付き合っていく楽しみもしっかり描写されている。 エピローグは美しい。森戸家に幸あれ!
咲ク・ララ・ファミリア
越智月子
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戦中派女性の12人の素描という趣の一冊。 一つ一つが短いということもあるかもしれないが、筆者から、何が何でもこの人のことを知りたい、紹介したい、という熱が感じられないのが残念である。 唯一、黒柳徹子だけはその熱量が高い気がする。 また、12人の出自はいずれも、出生時は、戦前の価値観でいうところの「中流家庭」以上の出身である(女中を一人くらい雇える家庭レベル)。 この偏りをどう見るべきか。やはり女が名を成すには、親ガチャが大事だったということか。一人くらい生粋の「貧窮家庭」出身者を混ぜても良いのではなかったかと思う。
彼女たちの「戦後」
山本昭宏
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再読。 柴田よしき作品ではこれが一番好きだ。 どこに着地するのかわからないドキドキ感がたまらない。 「炎都」シリーズも完結してほしいけど、今更無理かなあ。
好きよ
柴田よしき
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個人的には「1941年のモーゼル」が一番面白かった。 表題作のトリックは途中でわかってにやり。
神の光
北山猛邦
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