流浪の月

流浪の月

凪良 ゆう
読者数: 340
発売日: 2022/2/25
出版社: 東京創元社
ISBN: 9784488803018

レビュー (20件)

良かれと思って、の優しさは本人にとっては善でも、他人にとっては悪にもなる。そして、いろんな形の関係がある、まだ私たちが知らないものも世の中にはきっと。名前は必要ない。人に迷惑をかけないで生きられる人はいない。それと、中途半端、とは何か、と自分に問う。

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人の弱さと強さをいっぺんに詰め込んだ美しい小説。文の秘密が最後に告白される構成は、ミステリーのようでもあり構成が綺麗であった。最後の最後まで澱んだ沼の底ような重いストーリー展開であったが、最終的には更紗と文は気持ちで繋がり、その他の世界の全員に異端者として吊し上げられながらも幸せに暮らしている様子が晴れ晴れとしていて、2人以外の理解者である梨花がエンドとして締め括られているのも心理的にかなりハッピーエンドであった。

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更紗と文の物語 事件の真実と事実 他人には分からない 親も世間も 何が常識か否か 関係ない

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事実と真実は異なる。インターネットがこれだけ発達した社会で一度放り出されたものは瞬く間に拡散され様々な憶測が飛び交う。家族でも友達でもましてや恋人でも決してない2人が一緒にいることを世間から納得されることはないだろうが、その必要もないだろう。2人がお互いを強く求めてるそれだけで一緒にいる意味がある 小さい頃から心安らぐ場所を求めていた2人にとってそこが平穏だったというだけだ。

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映画で見てもっと詳しく知りたくて購入

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重たいテーマだけど人間描写がとても興味深くおもしろい。登場人物に共感してしまった。 おすすめできる一冊。この作者の他の本も読んでみたい。

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孝弘にやられた、って言えばいいのにとすごくイライラしましたが言えないものなのでしょうか。 当事者になったことが無いので気持ちが分かりませんでした。 最後は救われたようで良かった。 大人になった更紗と住んでいるのだから小児愛者ではなかった、と周りは気づかないものなのかな。

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すごいお話を読んでしまった 恋とか愛とか関係なく、一緒に居て楽ならそれで良いじゃない 事実と真実は異なるもの、知っているのは本人達だけ 優しさの皮を被った無意識の暴力がしんどくて、読んでる間ずっと胸がチリチリしてた

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世間的に見たら「誘拐犯とその被害者の子」だけれど、二人の関係性がすごく素敵で憧れさえ抱いてしまいます。サラサが文といるときの自由な感じがとてもかわいらしくて。 ロリコンと性被害者という周りからのレッテルを貼られて生きていく辛さがこの間読んだ朝井リョウさんの「正欲」と重なる部分を感じました。

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◎誘拐犯と誘拐された子の話。最高。

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おもしろかったしそれなりに意義もあったけど、こんな話題になるほど?

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表紙がすごい。 伏線回収がほんとにすごい。

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やっと読了。 色々しんどい作品でした

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広瀬すずちゃんが出てた映画。

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その事件は偏った見方をされているのではないか?真実は?普通とは?と問いかけられる内容やった。 主人公二人に穏やかな時間がいつまでも続きますようにと願った。

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6/8読み終わり。 重い。クジラと同じで、私はこういう重い題材は苦手なんだと思った。ただ、この映画のキャストまで知らなかったんだけど、広瀬すずちゃんがハマるよなと思ってたらホントに当たってて、びっくり!

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ひとりぼっちは寂しい 消えないデジタルタトゥー、世間の目、私たちがどういう関係なのか、示す言葉は無い。「判定は、どうか、わたしたち以外の人がしてほしい。わたしたちは、もうそこにはいないので」 警察の冷たい取り調べのシーン、心臓を柔らかく包んで少しずつ血を塞き止められてるような圧迫感だった。はやく解放してくれ、はやく楽にしてくれ、誰かこの真実を知ってくれないか 「そんなものでは、救われてこなかった」 理解なんてできないとは思いながら、誰かを理解しようとして、でも、それが相手との溝を作ることになるかもしれない。そんなことは解っていながら、干渉する。 触れなくても良いものに、触れる。なぜだろう 真実は、当事者にしか解らない。それを公にすることに、なんの意味があるのだろう。 マイノリティは理解されない。理解されなくても良いと思っている人がいたら?理解しなくていいこともあるということを理解したい。

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映画を見たことがあるので読みやすかったのかもしれないけれど何年か経ってもまた読みたいと思える本でした。 優しさとはなにか考えさせられ、真実とは事実とはなにか考えさせられます。 この著者の他の作品も読んでみたいです。

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