
chiii
レビュー
子どもの要求を受け入れる、乳幼児期に信頼をつくりだすことが大切、と勉強になった。なんだかそれ以上に本全体が子どもをぐるっと、親をぐるっと包みこむものがあった。理屈よりそういうものが得られる本。理屈はもう一度読んで自分に取り入れたい。

子どもへのまなざし
佐々木正美/山脇百合子
素直に受け入れていい話なのか分からなかったけど、小気味いい会話は好き。 外で食べると3倍美味しい。 ガリガリ君も外で食べると、ハーゲンダッツに早変わりだ! 心配しなくたって、僕はちゃんと弱い。

僕の明日を照らして
瀬尾まいこ
誰でもなく自分を深く愛し守る。誰でもなく。 トランスジェンダー、DV、女性軽視、親と子のねじれ、、、52Hzのクジラと重なるところも感じた。 強くギラギラしたものが町田そのこさんの本だな、と思った。

月とアマリリス
町田 そのこ
青山さんの本はフィクションでうまくいきすぎてるだろう、と思っちゃうけど、取り入れたくなる言葉がたくさん。そして前向きたくなるんだよね。 猛烈な悔しさも苛立ちも、走り終えるころには汗と一緒に流れ落ちて、たいていのことはどうでもよくなる。この「どうでもよくなる」っていうのが、人生を平穏に過ごすためにとっても大事なことだ。 どうでもいいから忘れる。嫌なことって、たいがい自分にとってどうでもいいことだと思う。 私を幸せな気持ちにしてくれない出来事なんて、覚えている価値もない。 そうやって私は、今までいろんなことを乗り越えてきた。 親子はいつまでも同じ電車に乗っていられない。だとしたら、乗り継ぎ駅に到着して子どもが席を立ったとき、ちゃんと次の電車に乗れるように信じて見送ることしか、親にはできないのかもしれない。 何かの答えを出すのは素晴らしいことです。でも、そこにたどりつくまで迷いながら歩く日々のほうこそを人生と呼ぶんじゃないかと、わたしは思うんですけどね。 まだダメって思えるなら、絶対大丈夫だ。まだダメと、もうダメは、ぜんぜん違うんだ。まだってことは、これからがあるんだろ。 なくすなよ、そのくやしいって気持ち。大事に持ってろ。くやし涙がでてるときって、でっかくなってる最中なんだからな。 「神道では、魂は大きく分けてアラタマ、ニギタマのふたつがあると考えられていてね。荒魂は勇猛果敢で強いエネルギー。でもその勢いで災いを引き起こしてしまう面もある。和魂は平和や謙遜、献身。優しい魂ですが、これだけでは弱すぎて進めません。どちらも必要だし、 あって然るべきなんです」 荒魂、和魂。どちらも外せないセットなのだとしたら、ふたつのタマは、お互いにぶつかりながら磨かれていくように用意されたのかもしれない。それはきっと、どんな気持ちにも、ちゃんと意味があるっていうことだ。 自分のスペースが狭いなんてどうしてわかるんですか。あなたがそう決めてしまっているだけではないですか。誰もそう言ってないのに。「こうに決まってる」っていうのを外すんです。決まってると思ってしまったときには、上書きしてみてください。「何も決まってない」と。すべては、今からです。 戦わなくていい。誰とも、自分とも。不要だと思うような感情が生まれてしまったときは、そのつどさっと祓えばいい。 今夜は三日月だとか満月だとか、人はそう言いながら月を見上げるけど、 実際の月はいつもまんまるで、 私たちは月が太陽に照らされた光の部分を見ている。 だから、月がどんな姿をしていても、それは一部でしかない。 そして矛盾しているようだけど、どんな月もほんとうの月だ。 それは人が人を見るときに似ていると思う。 人もやっぱり、どんな姿もそれは一部にすぎないし、また矛盾しているようだけど、どんな姿のその人もほんとうのその人だ。

猫のお告げは樹の下で
青山美智子
「なんのために」なんて、くだらない。 ともに生きていくものに、重要な意味なんかなくていい。価値なんかなくていい。食べて寝て働いて。ただそれだけ繰り返して死んでいくなんてあんまりだから。なんのためにもならないが、ごく当たり前に存在する。存在することを許されている。それこそが豊かさだ。

ほたるいしマジカルランド
寺地 はるな
スッキリした気持ち これまで堆積してきたドロドロを一気にケルヒャーの高圧洗浄機で吹き飛ばしたような爽快感。 おつかれ!ゆいちゃん! おつかれ、お母さん! 知り得なかった世界を覗くことができて興味深かった。ショウジュ

君の背中に見た夢は
外山 薫
青と赤の対比がよかった。 どこにいても何をしていても、いつの世でも、人のやることは同じよ。食べて眠って起きて、好きになったり嫌いになったりするのよ。 こういう人がいいっていうんじゃなくて、この人がいいって思えたら、それが完璧な組み合わせだと思いますよ。人ってみんな、ひとりしかいないんだから。 人生は何度でもあるって、そう思うの。どこからでも、どんなふうにでも、新しく始めることができるって。(一度しかないという考えより)そっちの考えのほうが好き。ただ、人生は何度でもあるけど、それを経験できるこの体はひとつしかないのよね。だから、なるべく長持ちさせなくちゃ。 まわりまわってブー(蒼さん)とレイ(red茜さん)が人生を何度もやり直しているところが素敵だった。

赤と青とエスキース
青山 美智子
いやぁ、いいね、瀬尾さんの本は。 前向きになれる。 登場人物の軽快さがとてもすき。 パパがいないのは冴えにはかわいそうだけど、ママは冴がいて最高に幸せ。今まで親も親戚もいなかったのに、こんなすてきな冴がいるんだもん。ラッキー過ぎる。 ママがいて私がいて十分幸せ。それが事実だ。 というママの人柄が好き。こんなふうに、子どもにまっすぐ伝えられる母でいたい。明るくいたい。 泣いていても時は進む。どれだけ悲しい出来事が起きても、大事なものを失っても、止まるものは何一つないのだ。 蒼葉くんと岸間さんを見るのが好きだった。他人をこんなふうに信頼したり大切に思えたりするんだと、そばにいると心地いい。二人の間で積み上げられているものが、穏やかで風通しのいい空気を作っている。自分も誰かに必要とされ、誰かに安心してもらえる存在になれたらどんなにいいだろう。

私たちの世代は
瀬尾 まいこ
「あと少し、もう少し」のおおたくんー! またもだいすきな登場人物がアフターストーリーのように出てくる話でびっくり嬉しい☺ 別れは惜しむものじゃない。ただ日常にあるだけだ。また新しい何かに手を伸ばしていく。俺のフィールドがこれから先にしかないのならここでの日々を握りしめてばかりもいられない。

君が夏を走らせる
瀬尾 まいこ
不覚にも泣いてしまった。一気に読み終えてしまう読みやすさ。「共感」 以下、心に残った表現。 チップ。思いがけないご褒美みたいなもの。自分の悲しみを人が一緒に悲しんでくれるのは嬉しいことだと。 本屋は何千、何万という作家たちが、生きている人も死んだ人も一緒になって押し合いへし合いしている、すごく人口密度の高い所だ。でも本は静かだ。手に取って開くまでは、まるで死んでるみたいに黙りこくっている。そして、開いた瞬間から話し始めるのだ。ゆっくりと、ちょうど僕が望む分だけ。 僕たちは、黒板消しやチョークと同じように、だだ学校を構成する多くのもののうちの一つでしかなかった。学校という社会の中では、誰だって本当の自分ではいられず、与えられた役割を演じるだけの小さなパーツでしかないのだ。 あまりにも遠くにある不幸は自分の不幸ではない。近ければ近いで恐怖と不安があまりにも大きいと言って誰も立ち上がらなかった。 人間を人間にするのも、怪物にするのも愛と思うようになった。「愛とは種に注がれる水と日差しのようなもの。人にもう一度注がれる視線とか、決めつける前になぜそうなったのか質問してみること、それが愛なのではないか」 感じても行動せず、共感するといいながら簡単に忘れ。

アーモンド
ソン・ウォンピョン
「食え。 腹が減ってるときは難しいことを考えるな。」 過ぎ去った時代を生きた人々の物語っていうのはたいてい美しいんです。だって、遠くにあるから。 過去を語る行為には、いつだってある種の乱暴さがつきまとう。そこに流れていた時間を、勘定を、言葉によって切り取って、つなぎ合わせて、固定してしまう。言葉によって語られる過去は、ピンで止められた蝶の標本のようだ。ただそこで生きていた頃とはすこしだけ違うなにかになってしまう。 おじいちゃんの性格にズレが生まれて切なさを感じるけど、じんわり淡々と、という美しく、美しくもない家族の時間を表していると思った。とてもよかった。

カレーの時間
寺地 はるな