コンビニ人間

コンビニ人間

村田沙耶香
文藝春秋 (2018年9月4日発売)
ISBN:9784167911300
本棚登録:997

作品紹介・あらすじ

「普通」とは何か? 現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作 36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。 日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、 「店員」でいるときのみ世界の歯車になれるーー。 「いらっしゃいませー!!」 お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。 ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、 そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突...

感想・レビュー (20件)

メッセージ性が強い。

普通でないと言われていた主人公だが普通の人間のほうが怖いのではないかと思わせられる

実に実に変わったストーリー、変わったコンセプトの小説。第155回芥川賞受賞。変わった人間と思う人、ユニークな個性だと思う人は時たまいるけれど、、この主人公も気色の悪い白羽さんもスーパー変だ。

普通が何なのかが考えさせられる本。 結果は分からないけど、世間一般の普通じゃなくてもいかに自分らしく、好きなようにいきるか、後悔しないように

有名な芥川賞受賞作品を読んだことがなかったので手に取りました。 (村田さんの作品を一冊まるごと読んだのも初めてです) 出てくる登場人物達の考え方から『普通であることの同調圧力』が苦痛となるということは、あまり今まで気にしたことがなかったので、とても参考になりました。 とても読みやすく、そして考えさせる芥川賞受賞にふさわしいと感じた一冊です。

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共感するところもあったけどそれを超えて男のキャラがキモすぎる

哲学的書でペシミズムを感じる議論というか持論(白羽の持論)を聴く様な本だった。 マイノリティの人にうけるでしょう。何かしら、この世の仕組みに疑問や疑念を抱き、生きづらさを感じる白羽と、主人公の型に嵌まるからこそ自分を確立して生きられる人。似ても似つかない様な二人だけれど、白羽の持論の方向性は主人公と近く、主人公の型が白羽にとって居心地の良いと言うよりも、利便性のある世界なのかなって感じました。個人的に好きな類です。哲学的なものを好きだったらオススメです。

解説を読んでやっと理解した気がする。社会の普通とはズレていて自分も直せたらなぁと思っていて、そのチャンスに乗っかってみるけどやっぱり自分の生きやすさを感じる環境に身を置くのが一番幸せだよなと思った。まわりは矯正が必要と思ってそうだったけど、家族となるは仲良いのはよかった。映画のビューティフルデイズの主人公と同じ、自分の心地よい生き方で生きていくことの本人談のような感じでなるほどーっとなった。

私と同じ生き方の人。

現代社会の価値観、適応能力、個人差などふと、立ち止まって自分の立ち位置を考えさせられる1冊

前半面白かったが、後半に連れ気持ち悪い話になった。後味も悪いし最悪。話題になっていたから読んだのに読まなければ良かった。

結婚はしたが、専業主婦という自分とはほど遠いと思っていたものになってから数年が経ち、仕事に就くのが怖くなっている自分と重なる部分があった。人がどう思おうが、心が求めるものを追って何が悪いのか、その国の言語を毎日勉強することが働いてないなら無意味という理解されない夫と暮らしている私は幸せなのか。いろんな思いが出てきた。結婚はして方がいい、子供はいないなら働くのが当たり前、フランスで日本人が専業主婦は珍しい、フランス語できるのにもったいない、10年もフランスに住んで未だに勉強や職業訓練を探し仕事をしていないことが恥ずかしいという、これまではしなくてもいい、車はまだ待って、俺の仕事がどうなるかが先だ、と言っていたのに。彼のタイミングで私は働かなければならないのか。確かに社会とは繋がっていたほうがいいだろうし、社会貢献はやりがいになるだろうし、フランス人の友人が少ないから交流は必要だろうから、遅くても、フランス語の試験が終わったらパートでもよいので働くつもり。 村田さんの作品は読みやすく、主人公がデリケートな内容でも自分なりに楽しく、そして冷静に物事を受け入れたり拒絶しながら生きていく様が描かれているのがよかった。最後は自分の心に従う、という選択も好感。自分の気持ちには素直でありたい、改めて思った。

すごくしんどい話だった 生きづらいよねぇ。、

なんでこの本を読んだっけ…なんかTwitterだかのおすすめだった気がする… 気味が悪いし後味も悪い〜 誰に何か言われようと主人公はコンビニ人間で最後までいた方が幸せなのかな…幸せとは? 本人がいいなら一生コンビニ人間でいい気もしますよね…

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面白かったー!

久々に小説読んだなんかう、おお、て気持ちになった。一気読みした

出版されたときぶりに読んだ。昔よりも印象が変わった。主人公の不気味さを表現する言葉遣いにずっと注目して読んでいた。とても面白い。