ヴォンカ

2025年4月13日

結婚はしたが、専業主婦という自分とはほど遠いと思っていたものになってから数年が経ち、仕事に就くのが怖くなっている自分と重なる部分があった。人がどう思おうが、心が求めるものを追って何が悪いのか、その国の言語を毎日勉強することが働いてないなら無意味という理解されない夫と暮らしている私は幸せなのか。いろんな思いが出てきた。結婚はして方がいい、子供はいないなら働くのが当たり前、フランスで日本人が専業主婦は珍しい、フランス語できるのにもったいない、10年もフランスに住んで未だに勉強や職業訓練を探し仕事をしていないことが恥ずかしいという、これまではしなくてもいい、車はまだ待って、俺の仕事がどうなるかが先だ、と言っていたのに。彼のタイミングで私は働かなければならないのか。確かに社会とは繋がっていたほうがいいだろうし、社会貢献はやりがいになるだろうし、フランス人の友人が少ないから交流は必要だろうから、遅くても、フランス語の試験が終わったらパートでもよいので働くつもり。 村田さんの作品は読みやすく、主人公がデリケートな内容でも自分なりに楽しく、そして冷静に物事を受け入れたり拒絶しながら生きていく様が描かれているのがよかった。最後は自分の心に従う、という選択も好感。自分の気持ちには素直でありたい、改めて思った。

コンビニ人間

コンビニ人間

村田 沙耶香

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