作品紹介・あらすじ
本屋大賞作家の新境地となるサスペンス巨編
声なき声が届くなら、今度こそ記者を諦めない。
『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞後、『星を掬う』『宙ごはん』で同賞に3年連続ノミネート。人間ドラマを中心に執筆してきた町田そのこさん、初のサスペンス巨編!
北九州市の高蔵山で一部が白骨化した遺体が発見された。地元のタウン誌でライターとして働く飯塚みちるは、元上司で週刊誌編集者の堂...
感想・レビュー (3件)
過去の傷を抱えたまま地元で記者をする主人公、身元不明の遺体を調べるなか、同級生が関わる殺人事件を追うことに…加害者、被害者、その家族、罪を抱える全ての人を丁寧に描いた感動サスペンス。
ミステリ小説だが、単なる謎解きに終わらないのが町田そのこらしい。 主人公の同級生である吉永や、アパート経営をしている長野など、物語の本筋にはそこまで関与しない脇役の言葉が、物語を血肉の通ったものにしている。 最後の後日談の、主人公や井口が素敵。
誰でもなく自分を深く愛し守る。誰でもなく。 トランスジェンダー、DV、女性軽視、親と子のねじれ、、、52Hzのクジラと重なるところも感じた。 強くギラギラしたものが町田そのこさんの本だな、と思った。
