Y
レビュー
安定のおもしろ日常エッセイ。読後、何かが心に残るというわけではないのだが、こんな私でも大丈夫と思えてしまう。筆者がとことん日常生活をさらけ出していて、逆に心配になってくる。でも、私もそれ好きだなーっていうのが随所に出てくるから、三浦しをんやめられないんだな…

しんがりで寝ています
三浦 しをん
少しずつつながる12編のストーリー。一つずつが短いので、びっくりするほど読みやすい。初めて読んだ作家さんだが、ほっこりする。二つ目のワーママの話がちょっと共感できる。これほどバリキャリではないが…。シドニーのタロンガズー、ジャカランダの花、見てみたいな。

木曜日にはココアを
青山美智子
自分に合う仕事を見つけ、生き生きと働くのいいね。仕事は楽しいばかりじゃないけど、心を病むこともなく平穏に働ける今の職場に感謝。 家族の協力も大切。私ももっと家族にしてもらったこと、言葉に出して感謝せねば。

ママ 今日からパートに出ます! 15年ぶりの再就職コミックエッセイ
野原 広子
あの子とQの続編短編集。 カウンセリング・ウィズ・バンパイアがよかった。日本で初めてバンパイアになった男がカウンセラーに語る昔話。気の遠くなるような時間を生きるバンパイア。過去の記憶をなくさないために自分の過去を語りにくる。自分の子どもが老いて死んでいくのを見る切なさ。 表題作は明るい感じで展開していくが、オーエンさんの正体と去り方もまた切ない。

あの子とO
万城目 学
AF子どもの友達用の人工Friend? 太陽光をエネルギーとして生きる。 人間に造られたAFにも個体によって特性がある。まるで人間のようだ。 主人公のクララは勤勉で意欲的で観察力もある。主人となったジョジーのために、自らのできる限りのことを尽くす一途さも持ち合わせている。クララの健気さに切なくなる。 そして、店で購入され、必要がなくなれば廃棄される。どれだけ尽くしても最後は人形のような結末に寂しさを感じる。本当に近い将来こんなAFが出現するかも、と怖くなる。

クララとお日さま
カズオ・イシグロ/土屋 政雄
つい最近、この本の舞台となる横須賀や秋谷を訪れたため、何気なく手にとって読んだ本。 戦後80年の節目の年に出会えてよかった。戦後に実際にあった出来事の数々。当事者やその人の子どもたちにとっては過去のことではない。自分のルーツを探す混血児洋子さんの旅。いろいろ考えさせられた。 そして、改めて平和の尊さを感じた。

横須賀1953
木川 剛志
ネイルなんて全然興味なかったけど、ちょっとやってみたくなった。ネイリストの月島のもとに、星絵がやってきて、二人でネイルサロンを営んでいく日常。後輩の技術指導したり、経験を積ませるために他店に修行に行かせたり、そのくせ自信がなかったりして、月島がかわいい。 ごはんの描写も美味しそうだった! 「ないものねだりはするな」は、ひとに我慢と忍耐を強いて現状維持を優先させ、可能性や変革の芽を摘む危うい言葉でもある。

ゆびさきに魔法
三浦 しをん
人の気持ちを汲むのが得意な梨木くん。梨木くん本人は芸術一家の中で自分は何の取り柄もないと自分を卑下している。梨木くんの周りには、梨木くんのおかげで気持ちが救われた人々が集まっている。そんな梨木くんのバイト先に、気持ちを閉ざした常盤さんが入ってくる。そのうちに常盤さんの身体から、小さな女の子の声が梨木くんには聞こえるようになる。 能力があるものは、挫折すら輝きがある。 何もわからず判断していた無知だった自分を悔やみたくもなるだろう。

掬えば手には
瀬尾 まいこ
ハイダウェイ=隠れ家 東京港区のオフィスを舞台に、主役を変えながら6編の短編集。背負い込むのは依存してるのと同じ。陰キャで誠実な桐人のセリフ。大都会にある穴場もたくさん出てくる。みなと科学館のお昼の無料プラネタリウム、しながわ水族館いってみたい。

東京ハイダウェイ
古内 一絵
ご飯と一緒に酒を飲まないから嫌だと夫に離婚を切り出された沙也加。夫が通っていた定食屋雑に原因があるかも、と雑に行き、店主のみさえと出会い、そこで働くことになる。お互いに影響を受け合いながら、最後にはみさえが店の後継者を沙也加にと考えるほど深い絆をもつようになっていく。 相変わらず出てくるごはん、おいしそう

定食屋「雑」
原田 ひ香
早苗が桐谷道場の沢谷さんと結婚。香織はしょうもない大学生活を送り、就職せず桐谷道場で朝から晩まで剣道漬けの毎日。香織と早苗みたいな関係あこがれるな。人との出会いが一生の宝になってる感じ。いろいろ雑な香織が剣道には真摯なのもよい。

武士道ジェネレーション
誉田 哲也
十年ぶりくらいに再読。やっぱりいい。 高3のインターハイでの香織と早苗の団体での対決。香織の個人優勝。その後ケガのせいため早苗は剣道から離れることを決意する。早苗が剣道を再開することを香織はずっと待っている。かわいいな。香織がどんどん素直になってる。

武士道エイティーン
誉田 哲也
十年ぶりくらいに再読。誉田哲也作品ではこのシリーズが1番好き。武士道ジェネレーションを読もうと思い、まずはシックスティーンから読み直し。 早苗のひょうひょうとした感じと香織のガツガツした感じの対比が好きだな。

武士道シックスティーン
誉田 哲也
「8月の御所グラウンド」の続編。「3月の局騒ぎ」は清少納言、「6月のぶりぶりぎっちょう」は織田信長が登場。歴史上の人物をうまくからめた万城目学のストーリーはやっぱりおもしろい。 3月〜は前作12月の〜の主人公の母!?

六月のぶりぶりぎっちょう
万城目 学
短編集。タイトルになった「星がひとつほしいとの祈り」は、盲目のマッサージ師が戦時中の自分の過去を話す話。松山が舞台。「長良川 」もよかった。鵜飼の描写が幻想的。行ってみたい。全国のいろんな場所が舞台になってる。英語タイトルがついてるのもいい。

星がひとつほしいとの祈り
原田マハ
三浦しをんのエッセイ。気楽に読める。お酒がすき、食べることがすき、旅がすきとか共感できるところもたくさん。両親と旅行とかちゃんと親孝行もしててすごい。 エンタメが大好きだからこそ、そこにひそみこませることができる危険性について考えてしまうのも何かわかる。 アクアパッツァ作ってみたい。 ①ニンニクをオリーブオイルで熱する。 ②塩コショウした魚を入れ両面に焼き目つける。 ③ミニトマトなど野菜を加え、アンチョビを食材の上にちらす。 ④すぐワインと水を1たい1で具材半分浸るくらい入れ、蓋して5分。

好きになってしまいました。
三浦 しをん