定食屋「雑」

定食屋「雑」

原田ひ香
双葉社 (2024年3月21日発売)
ISBN:9784575247275
本棚登録:184

作品紹介・あらすじ

真面目でしっかり者の沙也加は、丁寧な暮らしで生活を彩り、健康的な手料理で夫を支えていたある日、突然夫から離婚を切り出される。理由を隠す夫の浮気を疑い、頻繁に夫が立ち寄る定食屋「雑」を偵察することに。大雑把で濃い味付けの料理を出すその店には、愛想のない接客で一人店を切り盛りする老女“ぞうさん”がいた。沙也加はひょんなことから、この定食屋「雑」でアルバイトをすることになりーー。個性も年齢も立場も違う女...

感想・レビュー (5件)

原田ひ香さんの食堂の話は人生ドラマも相まってじんわり来ます

ご飯と一緒に酒を飲まないから嫌だと夫に離婚を切り出された沙也加。夫が通っていた定食屋雑に原因があるかも、と雑に行き、店主のみさえと出会い、そこで働くことになる。お互いに影響を受け合いながら、最後にはみさえが店の後継者を沙也加にと考えるほど深い絆をもつようになっていく。 相変わらず出てくるごはん、おいしそう

著者の食べ物系の小説は大好物だが、この作品も言うに及ばず。 定食屋「雑」を舞台とした心温もる物語。 元夫のくだりは多少苛つくも、性格や年齢も全く違う女2人の距離が徐々に縮まり、特別な関係へと変化していく描写が実に心地よい。 唐揚げのあげ方は真似したい。

なかなか良かった

安定感のある食べ物小説。 沙也加と定食屋の女主人ぞうさんの関係性が良い。