ありか

ありか

瀬尾まいこ
水鈴社 (2025年4月18日発売)
ISBN:9784910576039
本棚登録:145

作品紹介・あらすじ

愛はここにある。 幸せはここにいる。 「これまでの私の人生を全部込めたと言い切れる作品を描きました」 ーー瀬尾まいこ 母親との関係に悩みながらも、一人娘のひかりを慈しみ育てる、シングルマザーの美空。 義弟で同性のことが好きな颯斗は、兄と美空が離婚した後も、何かと二人の世話を焼こうとするがーー。 「子育てをしながら自分が受けた恩を思い知って、親に感謝していくのだと思っていた。それが親になった途...

感想・レビュー (4件)

ひかりが良い子すぎて、救われるわ。 どこにも毒親はいるもんで、子供はその親しか知らないから気づかないけど、これはうちだけなんだ、おかしいんだと気付くと、やっと解放されていく。 ときには強引さも大事、一番大事な人のために生きる、途中読むの心苦しくなったけど、最後まで読んでよかったです!

シングルマザーで、義理の弟や、保育園の友達パート先の同僚、みんなそれぞれいろんな事情を抱えながら、助けたり助けられたり、毒親との関係に悩みながら、大切な一人娘と、強くなっていく母の物語。ほっこりしました!

まあ普通の親子

七時に起きて九時前に寝るまで十四時間近く二人きりでいると、息をつく暇もない。 「ママー、ママー」とくっつかれたまま洗濯や料理をし、やいやい言うのを引き連れて買い物に行き、テレビを見ている間に夕飯を作る。これでは、仕事のほうが楽だ。少し離れる時間があってこそ、子どもを受け入れられるのかもしれない。 何一つ負の感情を持たない寝顔、生きていることをめいっぱい知らせる寝息。その姿は私に安心感を与えてくれる。大きな不安と底しれない安らぎ。ひかりの小さな体にはその二つが詰まっている。 母になって読む今、びしびしくるものがあった。

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