人魚が逃げた

人魚が逃げた

青山美智子
PHP研究所 (2024年11月14日発売)
ISBN:9784569857947
本棚登録:272

作品紹介・あらすじ

本屋大賞4年連続ノミネート! 今最注目の著者が踏み出す、新たなる一歩とはーー。 幸福度最高値の傑作小説! <STORY> ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始めーー。 そしてそ...

感想・レビュー (13件)

最高に読後感が良い。すべてのエピソードにおいて、それぞれ共感できる人間の弱みや卑屈感が描かれており、けれどその負の一面を作り出しているのは自自身かもしれないということに気付かされる。登場人物が皆前を向いていく姿に心が動かされた。 そして各エピソードの登場人物が繋がり、同じ出来事がそれぞれの立場から違う見方をしている描写が面白いのだ。 また、最後のエピソードでは「王子」すら登場人物の一人として落ち着くかと見せかけて、ファンタジーの要素を残して終わるのが美しかった。

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青山美智子さんらしい温かいストーリー。童話の世界が入り込んだ銀座が 別世界の様でもあった。 いつでも銀座は特別な街。不思議なことも当たり前のように通り過ぎてゆくんだろうなと思えた。

1つのお話しの中ですれ違った登場人物が次のお話しの主人公に、そしてまた次のお話しに、青山美智子さんの小説の素敵なお約束

あんまり自分にはヒットしなかったかなと思いながら最後まで読み進めていったら、なんと最後のエピソードと最初の話が繋がって一気に読んでしまった!

現実に紛れ込んだファンタジー

大人に見える人、落ち着いて見える人、幸せそうに見える人、外側からは分からない不満や気持ち。いろんな人たちの視点からはじまるお話。そんなことより最初の青年の話がイライラする

ファンタジックなミステリー

それぞれの物語が心暖まる。

本屋大賞を狙った本? 王子は? アンデルセンの人魚は?

現代の東京銀座を舞台に、『王子』と関わった人々の気づきと新たなスタートの物語。おとぎ話のチカラを感じる優しい気持ちになれる作品。

なんとなんと 今のような昔のような 面白い世界でした。 最後の最後を教えてもらえないのがもどかしいな!

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とても温かい気持ちになれる青山ワールド全開の作品😊朝読書とかヒマな時間に読むとほっこりすること間違いない😆

ハートフルな連作短編集。キラキラの青山ワールドで今回も胸が満たされ放心状態。(笑) 当初朝読書を習慣づけたのは認知症予防や語彙力低下を防ぐ為だが、著者の小説のような極上の虚構の世界に心を委ねる心地よさを日々味わいたいからでもある。まさに珠玉の虚構。