カンタン酢

7件のレビュー

レビュー

作者の本としては個人的に予想外の内容だった。本がテーマになっているので数々の著書が登場する。ベストセラーや流行の本もいいけど、今も尚読み継がれ残る古著書がどんなことを残しているのか、興味が湧き改めて読んでみたいなとも感じた。

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本を守ろうとする猫の話

本を守ろうとする猫の話

夏川 草介

誰かの一言が誰かの救いになることもある。そしてその一言が人生の目標へと繋がる。そこから広がる人との関わりや岐路に立ち向かう姿に、勇ましさを感じた。はちみつがキーワードになるこの作品、蜜蜂の生きる様なんて考えたこともなかったけど、描写されている蜜蜂達は勇敢で必死に生きている。はちみつを使った料理もそうだし、お腹の中から甘くほっこりする感じ。

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今日のハチミツ、あしたの私

今日のハチミツ、あしたの私

寺地はるな

妻として嫁として女として、誰もが感じるであろう思いが率直に描かれてる。夫婦でも一生分かり合えないこともあるし、後になって分かることだってある。夫がいなくなった後に分かる真実に何が見えるのかは、当事者が感じたことが真実でしかない。義家族との関係性も、苗字や戸籍に捉われず人として関われればいいのだろうけどなかなかそうもいかないのが現実。息苦しく感じる気持ちもよく分かる。誰もが不安だし誰かに寄りかかりたい気持ちもあって。距離感や温度差を感じながらも人として温かく生きれたら素敵だな。

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夫の墓には入りません

夫の墓には入りません

垣谷美雨

天涯孤独になった主人公が、商店街で出会った人達と繋がっていく様と心模様を感じれる本。たまたま出会った惣菜屋さんのコロッケ、その時のコロッケの美味しさを想像しただけで食べたくなる。人間味溢れる本。

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ひと

ひと

小野寺史宜

鯨が出す音のヘルツは決まっていて、大体が30くらいであるらしい。例外にも高音しか出せない鯨が存在し、孤高の鯨と呼ばれている。その鯨の思いは誰かに届くのか。本当に孤独かはわからない。家族から虐げられ育ったきなこを巡って登場する人物それぞれが、きなこのヘルツを受け取り手を差し伸べる。又転居先で偶然出会ったムシ(いとし)なる男の子との関わりの中で今度は自分がヘルツを受け取る側になるというきなこの心模様に引き込まれる。

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52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラたち

町田そのこ

死んだものが残すといわれている最後の思いの玉。大切な人の最後の思いを知りたいと願い、ぎょらんなるものを探す。それは憎しみであったり、励ましであったり、愛する言葉だったり。その思いが故に呪縛として現実を生きることが出来なくなってしまうこともある。ただそれは死者が生み出したものではなく、生者が作り出した創造物であり願いである。

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ぎょらん

ぎょらん

町田 そのこ

誰にも言えない後悔を抱える一香と幼少期の辛い経験を抱える調香師の朔。雇用関係として出会った2人だけど、少しずつ心の距離が近くなり、それぞれの過去と向き合うことになる。ひとつひとつのエピソードには香りを伴い、登場する食べ物や飲み物にも香りを感じる。香りは永遠に脳に刻まれる。それを引き出すきっかけさえあれば。

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透明な夜の香り

透明な夜の香り

千早 茜