たかまる

たかまる

7件のレビュー

レビュー

日本の貿易で権力者が利益を上げる条件(ものの価格、大きさ、もう1つ?)や、宋銭が広まった理由(貨幣自体の効用+寺社での需要)など、経済の観点から、「なぜ平家は滅亡したのか」という問に向き合っていた。 また、貨幣の流通は、米や絹の価値を低下させた(モノ自体にあった交換可能という付加価値が宋銭に代替されたため)ことや、出挙による銭不足と貧富の差、それらによって土地を基盤に利益を上げていた貴族や武士等と平家の対立が激化したことが分かった。このことは、源平合戦が、治承・寿永の乱と呼ばれるようになった理由をまさに表していると思った。 土地制度の問題等は薄く、「「貨幣」が平家を滅ぼした」という回答は不完全かもしれないが、当時の日本の姿をよく映しているように思えた。

経営者・平清盛の失敗

経営者・平清盛の失敗

山田真哉

本棚登録:0

社会科教育の授業でジグソー法について批判的な検討をしていたが、そもそもジグソー法についての理解がなかったため読んだ。 ジグソー法が従来のグループ学習と異なる点は、一人一人が自分の与えられた資料を解釈して、考えを伝えやすいという点だ。資料について理解が及ばなかった場合も、教え合いの活動が生まれるし、理解していても説明できない場合にも、解釈の伝え合いの活動が生まれる。 ただし、ジグソー法を行う際には、主題を駆動質問とする必要があると思うし、これを社会科に置き換えられるかと言われると、「与えられた思考をもとに問題解決をする」というやり方が引っかかる場合も少なくない。ただし、生徒の理解度や、主題によっては効果的に生かせるだろう。 ジグソー法についてだけでなく、生徒との接し方についても勉強になった。自分にとっての常識が生徒に通用しない場合があること、そして、その問題を乗り越えるためには、補助発問を工夫すること、そして、生徒同士の教え合いが、先生ー生徒の場合よりも工夫して説明しようとすることなど、これからの指導技術に活かせそうな学びを得た。、

知識構成型ジグソー法による数学授業

知識構成型ジグソー法による数学授業

飯窪真也/齊藤萌木

本棚登録:0

領海という概念が存在しない中、イギリスは制海権の必要性に気づき、フランスやプロイセンとの力関係に悩みながらも、スエズ運河等の領有や、海峡の掌握を通じて制海権を握った。 また、自国産海底ケーブルを通じて世界の情報を掌握し、強大な軍事力とした点も着目すべき点である。 第二次世界大戦で消耗したイギリスに変わって、アメリカが制海権を握った。大陸棚の領有について途上国との間に軋轢があったが、概ね合意に至っている。 日本は、中国の「国際海洋秩序に対する挑戦」に対抗するために、

ネタバレを読む

海の地政学

海の地政学

竹田 いさみ

本棚登録:0

ウッダーラガ・アールニとその息子の問答から世界の始まりを解き、その変遷とともに神・業・因果関係・存在について記していた。 神について、創造神による宇宙創造といった神話的な考え方から、根源的一者の自己増殖による世界の創造という考え方へシフトし、事物の本日をどのように見るかによって様々な矛盾が生じ、議論が行われていたのが面白かった。 議論の中で、偶有的属性の話や、因中有果論と因中無果論の話が出てきていて、このような解釈をすることで大昔の哲学者たちが世界の矛盾について考えたのかと思うととても面白かった。

インド哲学10講

インド哲学10講

赤松明彦

本棚登録:0

数字など詳しいことはよく分からなかったが、高所得者に配給した分は、課税で取られるので、非効率なバラマキにはならないという主張が面白かった。 効率的に、集中的に政府が保護しようとするほど、非効率になる例も参考になった。 1番驚いたのは、国民の13%は生活保護水準より下の金額で生活しているということで、これは生活保護水準見直しの強い根拠であると思った。 また、生活保護水準が高いと言うが、イメージと乖離しているため、実際どうなのか、貧困の原因が金銭以外にあるのではないかと考えていきたい。 一部、効率を求めて故郷を大切にする視点が欠如しているように思えたが、致し方ないのかもしれない。

ベーシック・インカム

ベーシック・インカム

原田泰

本棚登録:0

北欧の教育について、専門家から民間人まで幅広くからの視点が書かれた本だった。 特に印象的であったのは、北欧は福祉などから平等のイメージがあったが、どちらかと言うと、平等な競争ができるお膳立てを制度でしてあげているということを認識させられたことだ。 教師の裁量に委ねられる部分もおおいぎ、これも、実質的平等に基づく考え方のおかげで可能となっているのだと知った。

北欧の教育最前線

北欧の教育最前線

北欧教育研究会

本棚登録:0