作品紹介・あらすじ
二千年以上にわたって重ねられてきたインドの思想的営みから、私たちは何を学ぶことができるのか。世界の成り立ち、存在と認識、物質と精神、業と因果、そして言葉それ自体についての深い思索の軌跡を、原典読解をふまえながら考察する。難解と思われがちなインド哲学のおもしろさと広がりをとらえる、刺激的な入門書。「10講」シリーズの哲学・思想編。
感想・レビュー (1件)
ウッダーラガ・アールニとその息子の問答から世界の始まりを解き、その変遷とともに神・業・因果関係・存在について記していた。 神について、創造神による宇宙創造といった神話的な考え方から、根源的一者の自己増殖による世界の創造という考え方へシフトし、事物の本日をどのように見るかによって様々な矛盾が生じ、議論が行われていたのが面白かった。 議論の中で、偶有的属性の話や、因中有果論と因中無果論の話が出てきていて、このような解釈をすることで大昔の哲学者たちが世界の矛盾について考えたのかと思うととても面白かった。
