ベーシック・インカム

ベーシック・インカム

原田泰
中央公論新社 (2015年2月1日発売)
ISBN:9784121023070
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作品紹介・あらすじ

格差拡大と貧困の深刻化が大きな問題となっている日本。だが、巨額の財政赤字に加え、増税にも年金・医療・介護費の削減にも反対論は根強く、社会保障の拡充は難しい。そもそもお金がない人を助けるには、お金を配ればよいのではないかーこの単純明快な発想から生まれたのが、すべての人に基礎的な所得を給付するベーシック・インカムである。国民の生活の安心を守るために何ができるのか、国家の役割を問い直す。

感想・レビュー (1件)

数字など詳しいことはよく分からなかったが、高所得者に配給した分は、課税で取られるので、非効率なバラマキにはならないという主張が面白かった。 効率的に、集中的に政府が保護しようとするほど、非効率になる例も参考になった。 1番驚いたのは、国民の13%は生活保護水準より下の金額で生活しているということで、これは生活保護水準見直しの強い根拠であると思った。 また、生活保護水準が高いと言うが、イメージと乖離しているため、実際どうなのか、貧困の原因が金銭以外にあるのではないかと考えていきたい。 一部、効率を求めて故郷を大切にする視点が欠如しているように思えたが、致し方ないのかもしれない。