エヌケイ
6件のレビュー
レビュー
読み終えて感情移入しすぎて余韻から抜け出せずにいるわたし。きっと女性が読んだら共感になるのでしょうが、異性の私でも心が持っていかれそうになった。ストーリー展開と細かい心理描写が秀逸で、葵と魚子が感じたであろう海や郊外の景色と匂い、小夜子の娘への愛や他人と関わろとする勇気や気持ちを慮ろうとする優しさ。 青春の脆さと大人の狡猾さ、、 そういうものがすべて浮かんできて、不覚にも涙を流してしまった。 読み終えるのが惜しい小説に出会ったのは久しぶりで、続編を読みたくなった。 ナナ子ちゃん元気にしてますか?
ネタバレを読む
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対岸の彼女
角田 光代
読書はノイズ込みの知で、情報はノイズ抜きの知であるという筆者の主張はなるほど腹に落ちた。 現代はまさに情報社会であり、あらゆるモノにノイズを排除しようという意識が働いているのでは?働くことが美徳とされていた時代はとうの昔に過ぎたはずだったがそんなものは幻想だったのだろう。 全身ではなく半身で生きたいと自分も思う。
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なぜ働いていると本が読めなくなるのか
三宅 香帆
社会学とはなんだ? 日常の1コマや人々の生活に思いを馳せる事であり、日々のそれから矛盾を炙り出す。 著者が他者から聞いた話の中に、エッセンスを見つけ分析しているのだが、そういう事もあるし、そういう人もいるよねという解決や回答を求めない結びが秀逸で、人の人生は様々なんだと改めて思わせる内容でした。
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断片的なものの社会学
岸政彦