
ぺろり
12件のレビュー
レビュー
とても興味深かった。 言葉というものはデジタルであり、多くの要素を捨てているから不完全で。言葉を受け取った側はその行間を好きなだけ埋めてしまえるから、言葉を発した側の意図が100%伝わることはない、というのがなるほど感じた。 人と話す時も、SNSで発信する際も、言葉にしている時点で自分の思考が完全には相手に伝わらないことを意識していきたいと思えた。
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文庫版 地獄の楽しみ方
京極 夏彦
読みにくいけど、「」がなくて誰がしゃべったのか考えなきゃいけないけど、展開が面白くてはやく読みたいと思える本だった。 現実に起こり得ないことのに、「そうなるだろうな」と想像できることを緻密に書いていて素晴らしい。
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白の闇
ジョゼー・サラマーゴ/雨沢泰
月や雪などの自然とともに広がる人情物語の短編集。 短編集ゆえ、もっとこの先の展開が知りたい、となるように、どうなったのかが読者の想像に任せられてしまうが、そう思わされてしまうことが著者の技なのだと思う。 広大な自然と相反する、小さな人間たちの小さなお話。
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月まで三キロ
伊与原 新
現代で看護師として生活している主人公が、過去に従軍看護師として戦地に赴いていた現在の患者として、戦時中にタイムスリップ(?)する話。 状況は複雑だが、読むとわかりやすいので読みやすい。 戦時中の物語としては、爽やかな終わり方だと思う。
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晴れたらいいね
藤岡陽子
情景描写と比喩が丁寧で、目の前に風景が広がるよう。 最初の方は少しくどいかな、と思ったが、最初さえ越えればそれほど気にならなかった。 「才能」がなくて、それに縛られているのが人間らしくて共感できて、時々読むのが辛かった。
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羊と鋼の森
宮下 奈都