スモールワールズ

スモールワールズ

一穂ミチ
講談社 (2023年10月13日発売)
ISBN:9784065334560
本棚登録:87

作品紹介・あらすじ

2022年本屋大賞第3位  第43回吉川英治文学新人賞受賞! 共感と絶賛の声をあつめた宝物のような1冊。 夫婦、親子、姉弟、先輩と後輩、知り合うはずのなかった他人ーー書下ろし掌編を加えた、七つの「小さな世界」。生きてゆくなかで抱える小さな喜び、もどかしさ、苛立ち、諦めや希望を丹念に掬い集めて紡がれた物語が、読む者の心の揺らぎにも静かに寄り添ってゆく。吉川英治文学新人賞受賞、珠玉の短編集。 まま...

感想・レビュー (6件)

本書は文庫化に伴い、書き下ろし『スモールスパークス』を加えた、全7つの物語(世界)から構成されています。 どのお話も、展開が気になりワクワクしながら読み進めました♪ 一番好きだったのは『ネオンテトラ」 深みのある作品で面白かったです(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)✧⁠

本屋大賞候補作にもなった一穂さんの本が文庫化されていたので手に取りました。 (初版特典のしおりにも惹かれました笑) 切なさの中にどこか温かみのある6+1編から成る短編集は、どれも引き込まれました。 お気に入りは『魔王の帰還』、最後の一文が素敵すぎです。

文章は分かり易いが、登場人物の心情を読み解くことが難解。読者に容易に解釈されない、それぞれの思想が渦巻いている。

ネオンテトラ…姪の子を養子にする話 魔王の帰還…魔王(姉)がで戻って来た理由が分かって切なかった。

ひとつひとつの話に暖かい気持ちになりながらも、すべての話がつながってて驚いた

165回直木賞の候補作品 初作家さん バラエティーに飛んだ家族をテーマに描かれていて 短編ながらそれぞれが全く趣の違ったものになっている ゾワッとするものから コメディタッチのもの グッと胸に刺さるもの 何処にもハッピーエンドは無いけれど それぞれの世界観は凄く読み応えがあり 誰しもが持っている 心の弱さとか醜さとか どこかで諦めたり もがいてみたり そして受け入れ信じてみる 1つの話の中の登場人物が 別の話でさりげなく繋がってるところも 面白い わかりづらいものもありますが わかると面白さ倍増 最後は えっ!......