Bellbooks
レビュー
サブマリンから読んでしまったので、若干ネタバレしてしまったような感じを受けるところもあったが、スラスラと読みやすく、心地良くあっという間に読み終えてしまった。陣内はすごい人物だとは思うものの、あまり共感はできず、永瀬と優子の二人がなんだか気になるというか、好ましい二人だと思いながら読んでいた。 視覚障害のある人の気持ちや感覚というものをあまり考えたことがなかったが、実際にそういう人がいるのかはわからないが、こういう感覚で生きているのかもしれないということに考えを巡らせる機会をもらった。 陣内には共感できない部分が多いが、人を区別しないところは素敵だなと思ったし、自分も見習いたいと思った。

チルドレン
伊坂 幸太郎
伊坂さんの本は救いがあって好きだなぁと改めて感じながら読むことができた。被害者も加害者もどちらにも大切な人生があり、事件によってどちらの人生も壊れてしまう救いのない内容が書かれているが、そんなとても重くなってしまいそうな内容であっても、正しく正面から受け止めつつも、重くなりすぎずに読ませてくれるのは、やはり伊坂さんの作品に描かれている勧善懲悪の精神ではないかと思う。チルドレンも読まなくてはと思った。またジャズも聴きたくなった。

サブマリン
伊坂 幸太郎
最初から最後まで読んでいて、気分が悪くなる胸クソ悪い感じの本だった。誰かが誰かの陰口をたたいていることを、代わる代わる聞かされるそんな感じだった。ミステリーとしてもあまりパッとせず…読んだあとはすぐに売ろうと思いました。

白ゆき姫殺人事件
湊かなえ
ページ数が少ないだけあって、読み応えとしてはあまりない印象。ただ原田マハさんの別の作品でもそうだったが、マダム・セザンヌを一度見てみたい、どんな作品なのか興味を抱かせることはとても上手だなぁと感じた。この方はアートを愛しているんだろうな ということがよく伝わってきた。家に1つ自分の好きな絵画を飾ってみたいと初めて思ったのは、この作品のおかげだと思う。

デトロイト美術館の奇跡
原田 マハ
面白かった。最初から最期まで気持ち良く読み通すことができた。分厚い本であったが全然気にならないどころか、あとこれだけで終わっちゃうなぁと寂しく思いながら読んだ。緑デミはかわいくて、読んでいると、車ははなしができるんしゃないか、気持ちがあるんじゃないかとそんな気がして、車が愛おしくなった。細身氏や望月家の人達のように1台の車を大切にすることは素直に素敵だなぁと思った。久しぶりに誰かに薦めたいと思った本だった。

ガソリン生活
伊坂幸太郎
空き巣の黒澤と立てこもり犯のお話。伊坂幸太郎らしく読者の期待を裏切らないトリックで、読後にあ〜そういうことだったのか と感じさせてくれるお話だった。その中に勧善懲悪で読後感も良く、夏之目課長の家族との話には心を打たれるものもあり、全体的に面白かったといえる。

ホワイトラビット
伊坂 幸太郎
東野圭吾ということで、どのような伏線の回収をしていくのかとても楽しみに読んでいった。一つ一つの話には感動する箇所もあったが、どれもつまらなくはないが物足りないと感じさせるものがおおかった。物語がいくつもあるためか、浅い印象で、深い感動とまではいかずに進んでいってしまった。 読後感はハッピーエンドということもあり悪くはなかった。

ナミヤ雑貨店の奇蹟
東野 圭吾
最後の最後にどのようにこれまでの話が繋がって行くのだろうかと期待をしながら読み進めていたが、はっきりとは繋がらず、個人的には不完全燃焼な印象を受けた。まあ元々全ての話が最後に繋がるとはどこにも書いてあるわけではなかったけれど、伊坂幸太郎であればそうなるのではと勝手に期待をしてしまっていたことが、いけなかった。何事にも先入観を持っていてはいけないと改めて教えてもらった気がした。 話自体は読みやすくあっという間に読み終えた感じではあるものの、特にこれといった印象はなく、ただスラスラと読み終えたという印象であった。きっと悪者はそれなりに報いをうけているのであろうが、そういった記述もはっきりとは書かれておらず、あまりスッキリした読後感もなかった印象。

首折り男のための協奏曲
伊坂 幸太郎
恐妻家の殺し屋“兜”の話。連載小説ということもあり、前半はこんなもんか〜という感じで、もう少し深く伏線でも入れた話が良かったなぁというくらいで、淡々と進んでいく印象。少しずつ面白くなっていき、終盤は一気に読み終えてしまう面白さであった。

AX アックス
伊坂 幸太郎
前半は面白いような面白くないような感じで、読みやすくサラサラ進んでいく。中盤から少し盛り上がってはいくが、最後までのめり込むような面白さはなく淡々と進み、終わってしまったという感じ。主人公ラゴスにもあまり共感できる部分は多くなく…人気のSFものということで楽しみに読んでみたが、少し残念な気持ちで、これがこんなに人気なのか〜と不思議な気持ちになった。しかし、また自分が歳を重ねたあとに読んでみると、ひょっとすると感想は変わっているかもしれないなぁと思った。

旅のラゴス
筒井 康隆