ガソリン生活

ガソリン生活

伊坂幸太郎
朝日新聞出版 (2016年3月1日発売)
ISBN:9784022648068
本棚登録:149

作品紹介・あらすじ

聡明な弟・亨とのんきな兄・良男のでこぼこ兄弟がドライブ中に乗せたある女優が、翌日急死! 一家はさらなる謎に巻き込まれ…!? 車同士が楽しくおしゃべりする唯一無二の世界で繰り広げられる仲良し家族の冒険譚! 愛すべきオフビート長編ミステリー。

感想・レビュー (4件)

面白かった。最初から最期まで気持ち良く読み通すことができた。分厚い本であったが全然気にならないどころか、あとこれだけで終わっちゃうなぁと寂しく思いながら読んだ。緑デミはかわいくて、読んでいると、車ははなしができるんしゃないか、気持ちがあるんじゃないかとそんな気がして、車が愛おしくなった。細身氏や望月家の人達のように1台の車を大切にすることは素直に素敵だなぁと思った。久しぶりに誰かに薦めたいと思った本だった。

免許取りたての大学生良夫と小学生亨の兄弟を中心とした物語。元女優の事故から物語は始まる。それはかの有名な皇太子妃の事故を想起させ、悲運の皇太子妃とオーバーラップする物語だった。語りては大学生家族の愛車デミオ。多くの登場人物や登場車が描かれ、それぞれの個性が丁寧に描かれている。それが物語が最終展開する際の伏線になっていたりする。伊坂作品らしい。人間は知らない、クルマしか知らない真相が本当にあるとしたら、面白い。

車 同士の会話 良夫 亨(小学生) 翠(女優) 玉田憲吾(記者)

読み終わってえぇ〜って言っちゃった 嫌な意味じゃなくて、あったかくて可愛らしくて幸せでユーモラスな終わり方だった