白夜行

白夜行

東野圭吾
読者数: 433
発売日: 2002/4/30
出版社: 集英社
ISBN: 9784087474398

レビュー (6件)

東野圭吾の代表作であるという「白夜行」。物語を読んでミステリーの傑作だと思った。物語に大きく関わる桐原と雪穂。その2人の心情について一切書かれていないが、その周りや事件など関連する事柄が彼らの心情をより正確に表していく様がとても面白かった。こういうのはハードボイルド小説に多いのだがとても難しいところをやってのけ凄いと思う。展開が間歇的に起こるのは読んでいてとてもいい。そしてその展開も真相をより肥大かする要素となり凄いと思った。これは一度は読まないといけない傑作である。

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ドラマ化もされている伝説的作品ですよね。 読むのは3回目です。読むたびにいろいろな感想が浮かんできます… 質家の主人、桐原洋介が廃ビルで殺される。刑事、笹垣潤三は犯人探しに乗り出す。 桐原の妻の名前は弥生子。質屋の部下の名前は松浦勇。桐原が殺された時、2人にはアリバイがあった。桐原洋介の足取りをたどり、西本文代、寺崎忠夫に行き着くが、西本も寺崎も事で死んでしまう。事件は暗礁に乗り上げる。 あとには洋介の息子の亮司と、西本文代の娘、雪穂が残される。 その後、美しい娘、雪穂の人生の影にはいつも桐原亮司が見え隠れする。2人は愛し合い、庇い合い生き延びていた。誰の目にも留まらず…。 純愛というにはあまりにも重たい2人の関係。例えば、グレートギャッツビーのようなロマンチックさはここにはないです。 この小説自体なんでしょうか?ミステリが主眼ではなく、サスペンスでもない。解説で馳星周はノワールであると告げています。 でもやっぱり私はなによりも人間ドラマ、恋愛小説なんじゃないかと思うんですよね。恋愛という言葉が軽ければ、愛の作品。 雪穂が隠れて桐原に手袋を作っていた、雪穂が作った店の名前が「R&Y」であったこと、2人が事件に巻き込まれるたびに、必死に庇いあっていたこと。作品中では、2人の気持ちは直接は書かれないのでですがそれが2人の関係やこの作品の叙情性を高めます。 ただ、いくつかの謎も多く、未だに気になっています。 たとえば、2人の気持ちには違いがあるように感じます。 桐原亮司は、作中で「俺の人生は白夜の中を歩いているようなものだからな」と言っています。桐原は、白夜を歩いていたと。 対して、雪穂は、「私は太陽の下を生きたことなんかないの。私の上には太陽なんてなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。ー太陽はなんてなかった、だから失うものなんてなかった」と告げています。そこにはニュアンスの違いがある。失うものなんてない? もしかしたら雪穂にとっては、桐原亮司はとても大事な人だったけれど、男として本当に愛せてはいなかったのかもしれない。その代わり、作品の中で、雪穂は篠塚一成にだけは特別な感情を抱いているように見えます。 最後に雪穂は、死んでいく桐原亮司を「全然知らない人です」と告げ、一度も振りかえらず歩いていきます。普段完璧な演技をする雪穂らしくありません。彼を失い、改めて亮司の存在の重さに気づいたんじゃないでしょうか? 白夜行。 ドラマ化の際のキャッチコピーはこうです。 「愛することが罪だった。会えないことが罰だった。」 また読み返す作品だと思います。

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壮大な長いお話だった。

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2002年 ・桐原亮司 ・西本(唐沢)雪穂 がサイコパス的な主人公 小学高学年〜30才位までの話 はじめ.. ・桐原洋介(亮司の父) が殺される ・西本文代(雪穂の母) がガスで事故死   桐原父と西本母は 愛人関係? ・寺崎忠夫 西本母の恋人? 交通事故死 ・松浦  桐原弥生子(亮司母)の恋人 失踪 亮司と雪穂が主人公の短い話が 交互に出てくる(小学高学年〜30才位まで) その都度 二人が繋がっているのでは? と思う描写が.. (犯罪の手助けをしているのでは?という..) この短い話がかなり有り 凄く分厚い1冊になっている (普通の文庫3冊位) 雪穂 亮司の心情は書かれていない (読んでいる人が勝手に想像  出来るところが良かった  犯罪者の心理や感情なんて  長々聞きたくもないし  それを聞いて同情もしたくない  犯した犯罪は犯罪なので) 後半になって出てくる ・今枝直巳(探偵) 雪穂を調査        犯罪や2人が繋がっている証拠        を調べている途中いなくなる        (殺される) ・篠塚一成 (雪穂調査の依頼者)       雪穂の大学のサークルの先輩 ・笹垣刑事 最初の事件から事件担当       雪穂 亮司のことを       ハゼとテッポウエビに       例えて 相利共生 と思っている どこかで繋がっているはず..と 雪穂の大阪の店のオープンの日 警察も待機して 二人を逮捕しようとするが.. 亮司は逃げる途中死亡 雪穂は無表情でその場をさり 話はここで終了 雪穂が捕まらなかったのが 残念だった (勧善懲悪が好きなので) 2人は子供の頃に犯罪に巻き込まれ その後  犯罪をする方へ 変わっていき 互いに共生していた こういう話を読むと 誰が悪い 世の中が悪い  ...話にもっていきがちだけれど... (偽善的なこと含め感情的な事ではなく) 世の中の事件や出来事を見て インスパイアされ.. こういう闇深い話の小説が 出来上がるの 凄いと思うし.. 空気感 感じながら その時代時代 を俯瞰して(負の部分含め) みている様で面白かった (サイコパス的二人なので  スッキリ 爽快 ではないけれど.. 犯罪..性犯罪..殺人..も沢山出てくるので  感情移入したり 共感したりして読むと  辛くなりそうなので..  途中から俯瞰して読むよう意識した) まとめ 亮司父→ 小児性愛者で 雪穂母→ 自分の子供小児売春させている 亮司父は 雪穂の客で 雪穂母の恋人 と思われていた寺崎も 客 亮司が 雪穂と父の関係を目撃 父を殺害 そこから30才位まで  相利共生で犯罪を犯し続ける   解説で こういう小説のこと ノワール ていうと知った

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予言書?AI,pc,半導体など

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ひとつの事件から始まり次々と色々なことが起こる。真相に近づきそうで近づかないもどかしさだったりハラハラするところだったりでこんなにページ数が多くても先が気になりどんどんと読み進めてしまいました。最後の終わりはなんか切ないような物足りないような終わり方でスカッとする感じではないですが作品としてはめっちゃ面白かったです。

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