あい

52件のレビュー

レビュー

第5弾。把握していた登場人物たちの関係がいろいろ変化し過ぎていて最初は戸惑いました。恋愛関係などに関しては、うまく行っているほうが読んでいて楽しいものだと個人的には思いますが、こういう展開ももどかしくて、先に先にと読みたくなり結局一気よみでしたが。 最後はお決まりの感じで何となく予想がつく展開ではありましたが、登場人物たちの関係性に涙したりと、面白い映画を見終わったかのような満足感がありました。

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月下蝋人 新東京水上警察

月下蝋人 新東京水上警察

吉川 英梨

島のなかで起こる連続殺人。6人死ぬと過去に予言された通りに人が死んでいきます。ホラーなのかミステリなのかよくわからないまま物語が進んでいき、最後には叙述トリックもありで、印象がどんどん変わっていく盛りだくさんのお話でした。

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予言の島

予言の島

澤村伊智

6編の中編・短編集。 「体質改善セミナーに参加したメタボな男性4人組が、インストラクターの無慈悲な指導によって空腹感が怒りへと変わっていく中、冷蔵庫のシュークリームが盗まれる事件が発生する『限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件』」。このあらすじを見ただけで既に面白そうなので読んでみたのですが、正直、この話はあらすじ通り、それ以上でもそれ以下でもなく…といった感想でした。 他5編に関しては、銀行強盗や殺人未遂等は起こることもあるのですが、人が亡くなるなどのとりわけ物騒なことは起こらず、謎に関しても何気なく読める程度のもので、斜め読みしても問題もなく読める作品でした。 ただ作品によっては、登場人物の長々とした肩書を説明する下りに爆笑したり、青春だなあ…と懐古の情に浸るものもあったりと、いろいろとバラエティーに富んでいて、最後まで飽きずに読めた感はあります。

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シュークリーム・パニック

シュークリーム・パニック

倉知 淳

一年前に孤島で死んだ恋人がどうして死んだのかを探るお話と孤島でのお話が交互に語られます。基本、斬新なトリックが好きな方なのですが、今時では珍しいほどに構成がシンプルで、一昔前の面白いミステリを一昔前に読んでいるような感じになり、これ前に見たことあるトリックだと反感を感じることもありませんでした。 トリックの方は正直、うっすらとは気づくものでしたが、文章も読みやすかったですし、あらすじも面白ったので、とても満足しています。

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あなたは嘘を見抜けない

あなたは嘘を見抜けない

菅原 和也

途中でよく分からないような展開がそのまま放置されたり、そもそもこの設定はなんだろう? と首を傾げる登場人物もいたりと不思議な作品ではありましたが、とても楽しく読めました。浦賀さんらしさ全開! といったところでしょうか。

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女王暗殺

女王暗殺

浦賀和宏

4弾。犯人はあっさり捕まってしまうので、そこからの脱出劇がメーンでした。新しく魅力的な女性も出てきてラブロマンスもあり、登場人物の何人かが本当に死んでしまいそうな危機もありで、派手なアクション映画を見終わった後のような満足感がありました。 面白かったです。

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海底の道化師 新東京水上警察

海底の道化師 新東京水上警察

吉川 英梨

孤島に集まった元同級生。そこで殺人が起こり… こんなに読みにくい話を書く人だったかな、という違和感がありましたが、それを越える仕掛けがあればいいなと読み始め、一人ひとりの昔物語が始まって、それが結構バラバラで。辛気臭い話もあれば、胸糞悪い話もありで、でも話の先にはそれが収束する何か凄い仕掛けがあるのだろうな、と期待してワクワクしていたのに…。 ラストは違う意味でびっくりしてしまいました

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首切り島の一夜

首切り島の一夜

歌野 晶午

不祥事で警察を辞めた主人公の中年男性が、もうすぐ売却される家で暮らす訳あり同居人たちとともに殺人事件に関わってしまうお話。 メーンは殺人事件の解決ということなのでしょうが、私としては、あまり幸福とはいえないけれども腐らず毎日を過ごす主人公や、人知れず悲しみを抱えて生きている同居人たちに、所々で胸が熱くなってしまいました。 とても面白かったです。

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いつか、虹の向こうへ

いつか、虹の向こうへ

伊岡 瞬

不幸な生い立ちの少女と、孤独な老人のお話。とにかく出てくる人の全てと言ってもいいくらいにみんなが何かしらの不幸を背負って生きています。 まずは少女が主人公で、これでもかというくらいの不幸なお話から始まります。その中で唯一の幸福とも呼べる老人との出会いがありますが、次がその老人の若い頃のお話になり、そこから一気にミステリになっていきます。 終盤にかけて、序盤の不幸話の鬱憤を晴らすかのように今までの謎がどんどん解けていきます。謎が解けるのもいいのですが、それと同時に、「赦す」ということが唯一の不幸を断ち切ることなのかな、とも考えさせられました。 正直、全体を通してみんなが不幸すぎて読むのもしんどいお話ではありましたが、内容にもかかわらず、すいすいと読ませてしまう作者の筆力は凄いと思いました。

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瑠璃の雫

瑠璃の雫

伊岡 瞬

とある北陸の町にある複合型ケアセンターで起こっている謎を解いていくお話。 色んな場面の話が少しずつ切れ切れにでてくるような感じで、やっと内容を把握したと思ったら慌ただしく次の話…みたいな感じで、とにかく登場する人もやたらに多く、すらすらとは読めませんでした。 また警察小説と帯に書いてありましたが、そもそも主人公は警察官ではないし、政治絡みのお話も結構盛りだくさんで、あらすじ的にもあまり好みではありませんでした。

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冷たい檻

冷たい檻

伊岡 瞬

第4弾。いつもどおり読みやすいし、事件も面白かったです。今回は反社会的勢力と警察と黒幕に操られた被害者遺族との三つ巴でした。 このシリーズは、題名のとおりスカーフェイスである主人公のインパクトが第1弾では結構あったような気がするのですが、この第4弾では主人公の顔がどうとか触れているところもなく、他のシリーズに置き換えても何ら問題のない内容だなというのは第3弾あたりから思っていて、もっと1弾なみにシリーズとしての特徴も出していってもらえると個人的には嬉しいです。

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スカーフェイス4 デストラップ 警視庁特別捜査第三係・淵神律子

スカーフェイス4 デストラップ 警視庁特別捜査第三係・淵神律子

富樫 倫太郎

アステカ文明に取り憑かれた男が臓器売買の組織を日本でつくっていく話なのだろうけど、とにかく登場人物が多い。というか、物語の語り手がちょくちょくかわり、誰が主人公なのかも定かではない。この膨大な人物それぞれの人生が丁寧に描かれているので、よく言えば読み応えはあるのかもしれませんが。 客観的にみれば、現代においてこの人たちのやっていることは鬼畜以外の何物でもなく、おぞましく、ただの殺人であり、残酷な拷問なのですが、アステカ文明の世界では当たり前のこととされていた?のであれば、もう何が正しいのかもよくわからなくなりますよね。 まあ、ただ、こんな暴力的で残酷な世界は嫌いだし、好みではなかったです。

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テスカトリポカ

テスカトリポカ

佐藤 究

第二弾。全然共感できない犯人側の話がずっと続くので、前半が長く感じられ、なかなか読みすすめることができませんでした。 ただ後半というかもう残り3分の1のところになってからは、サバイバルゲームみたいになりスピード感が出てきて面白く読めました。今回はSM班の活躍を描くというよりも、脱出劇メーンという感じでした。

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警視庁SM班II モンスター(2)

警視庁SM班II モンスター(2)

富樫 倫太郎

短編ごとに生活安全課0課の脇役たちが1人ずつ主人公として描かれていました。事件もささやかな事が次々と起こる程度。事件の謎ときというよりも、脇役たちの闇が次々と明らかになっていく物語という感じでしょうか。非常に読みやすいので、あまり深く考えずにさらっと読めますが、長編のような大きな事件もなく、特に印象に残るエピソードもありませんでした。主人公のKYぶりが微笑ましいだけで、回を重ねるごとになぜかつまらなくなる印象です。

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生活安全課0係 バタフライ

生活安全課0係 バタフライ

富樫 倫太郎

第3弾。前作では少しマンネリ感があったのですが、これはなかなか構成も凝ってて読ませるお話でした。シリーズの中でダントツに面白く読めました。こうなると、続きが凄く読みたくなってきます

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忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件

忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件

阿泉 来堂

第4弾。過去に凄惨な大量殺人があった宗教団体の館へ訪れ、そこに何度もタイムループして殺されるお話。なかなかアイデアが面白いです。 シリーズものではあるけれど、それぞれ単品で読んでも大丈夫なほど関連性がなかったように記憶していたけれど、本作で初めて次へ続くのだね、という終わり方をしていたので、引き続き第5弾も楽しみ。ただそこばかりに引っ張られて肝心の内容がつまらなくならないでほしい。

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邪宗館の惨劇

邪宗館の惨劇

阿泉 来堂

ジロウの戦闘能力がよくわからないし(結局弱いのか?)、政治的な主張に傾いてきたなぁという印象もあるし、場面もちょくちょく変わるし、登場人物も多いし、グロテスクな場面も多々あるし、と、結構ツッコミどころもあるのですが、あらすじの面白さに引っ張られて一気読みでした。 まだまだ問題が解決しているとは言えないので、内容的には絶対続かないとおかしいと個人的には思うのですが、帯に「finX」とあり、何が終わり?(シリーズが入り乱れ過ぎ)なのかよく分からず、もやもやが残りました。

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ジウX

ジウX

誉田哲也

設定がどんどん変わります。一家殺害事件かと思いきや探偵が閉じ込められてサバイバルしています。そういう忙しいあらすじは大好きです。 謎が解けて、帯のような感じにはならなかったのですが、とにかく二転三転する設定が面白いし、それにもかかわらずわお話全体が破綻していないところはさすがだなぁって思いました。

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しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人

しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人

早坂吝

短編集です。 表題作「女が死んでいる」は比較的新しいもののようでしたが、だいたいが1997年ごろの作品。 重い雰囲気の作品、軽い作品、さらにいろいろなパターンのトリックもありで、一つひとつの作品にクオリティーの高さを感じました。 あとがきにも、推理小説の「小説」の部分が面白い作家という記述がありましたが、まさにその通りだと思います。以前から大好きな作家さんですが、過去の作品を読んで改めて昔からうまかったんなだなと、しみじみと感じ入るものがありました。

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女が死んでいる

女が死んでいる

貫井 徳郎

大好きだった人に出会うために、何度も生まれ変わりを繰り返す女性とその周りの人のお話。 斬新な会話で笑うことはなかったのですが、ちょっとした仕草の表現だったり会話文だったりが面白くて、一字一句噛みしめて読みました。 最後はじーんときました。

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月の満ち欠け

月の満ち欠け

佐藤正午