水を縫う

水を縫う

寺地はるな
集英社
ISBN:9784087717129
本棚登録:202

作品紹介・あらすじ

松岡清澄、高校一年生。一歳の頃に父と母が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、結婚を控えた姉の水青との四人暮らし。 学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄は、かわいいものや華やかな場が苦手な姉のため、ウェディングドレスを手作りすると宣言するがーー「みなも」 いつまでも父親になれない夫と離婚し、必死に生きてきたけれど、息子の清澄は扱いづらくなるばかり。そんな時、母が教えてくれた、子育てに大切...

感想・レビュー (6件)

ドレスの刺繍、小説の文章表現だけでは我慢できない。実現した刺繍のドレスを見てみたい。最後の誰が来たか分からない所がいいかな

それぞれの心情がわかっておもしろかった。息子は母に対して、母は息子に対して、思いやりで言ってることが違うように伝わってしまってて、、難しいねー おばあちゃん、良い人で好き! あと、好きなことを貫くことって素敵と思った。そしてそんな貫けることに出会えることもうらやましかった。 少しほろっと泣ける良い本でした!

らしさ  普通 一瞬一瞬を大事にして何かをやり続ければ、 水は淀まず

かわいいは私を元気にするもの。 明日、降水確率が五十パーセントとするで。あんたはキヨが心配やから、傘を持っていきなさいって言う。そこから先は、あの子の問題。無視して雨に濡れて、風邪ひいてもそれは、あの子の人生。今後風邪を引かないためにどうしたらいいか考えるかもしれへんし、もしかしたら雨に濡れるのも、けっこう気持ちええかもよ。あんたの言う通り傘持っていっても晴れる可能性もあるし。あの子には失敗する権利がある。雨に濡れる自由がある。・・・ところで、あんたの人生は、失敗やったのかしら? 好きって大切。 そんなふうに思う本。淀まず流れていく綺麗な本。

ラストは予想通り。私はさつ子。