母という呪縛 娘という牢獄

母という呪縛 娘という牢獄

齊藤 彩
講談社 (2022年12月16日発売)
ISBN:9784065306796
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作品紹介・あらすじ

深夜3時42分。母を殺した娘は、ツイッターに、 「モンスターを倒した。これで一安心だ。」 と投稿した。18文字の投稿は、その意味するところを誰にも悟られないまま、放置されていた。 2018年3月10日、土曜日の昼下がり。 滋賀県、琵琶湖の南側の野洲川南流河川敷で、両手、両足、頭部のない、体幹部だけの人の遺体が発見された。遺体は激しく腐敗して悪臭を放っており、多数のトンビが群がっているところを、通り...

感想・レビュー (4件)

凄まじいものを読んでしまった。正直殺人事件の被害者にこれほど同情できないものはそうそう無いだろう。母と娘の30年余りを思うと、娘の行った殺人を肯定してしまいたくなるほど、読むだけで耐え難い母からの罵倒、叱責、暴行の数々だった。その極めて異常な環境下で、母を殺すか自分が死ぬかの2択しか考えられなくなるのは当然だろう。ずっと影の薄かった父からの娘への思い、家族としての愛を明確に感じられたのが殺害後になってしまったことが悔やまれる。

明らかにこのお母さんの娘への態度は「虐待」で常軌を逸している けれど母と子の空間は時に閉鎖的で主従関係のようになったりする どこの親子にもあり得る 程度の大小はあってもどの親子にもこの関係の種があると感じた

あー、この事件なんとなく覚えてる。 医学部に入れようと何浪もさせてその後も支配されて、母殺した話。 殺人を告白した、牢の中で自己肯定出来たこと、弁護士さんの、人の心に触れて心を動かされた事、ちょっと救われた、そんな本。