レビュー (11件)
夏川草介さんは現役の医者だそうだが、あの本読みました?で風貌を見て、もし映像化するなら、主人公のマチ先生は彼じゃないと、と思った鈴木保奈美も同じことを言っていた。 心が素直になったのか、とても 共感した。
最先端の医療と町中の人生に関わるひとの生死を見つめる医療。 どうにもならない世の中に対しても努力は大切と説く哲学者スピノザの言葉を拠り所に、一人ひとりの生命を大切にする。 急がなくてよい、先生おおきに、寒がってる人に外套をかけてあげる役目なんだよ。 技術と哲学どっちも大切。バランス。
命の灯火が尽きた時、最期をどう向き合っていくかをメインに描いた作品。日本では「安楽死」は認められていないため、患者がそれを希望してもそのまま死に向かわせることはできない。医師が執筆した作品ということもあり、医学用語や難解な言葉が多く、辞典で調べながら読み進めていった。そして、京都を舞台にしているため、京都の祭り・名所・通りの名前など、京都に関することも学べた。京都の地域病院(原田病院)で内科医として勤務する主人公 雄町哲郎(38)は、もとは大学病院で凄腕内科医として名を馳せていたが、ひょんなことからこの原田病院で勤務することとなった。オランダの哲学者 スピノザ (1633~77)の「世界はすべて決まりきっているが、だからこそ努力が必要」という言葉に感銘を受け、ここ(原田病院)でできる最大限の努力をして行こうと心に決めた。また、大の甘党で餅が大好きなことも書かれている。
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夏川草介さんの本、さすがです。スピノザについても人間はとても無力な生き物で、大きなこの世界の流れは最初から決まっていて、人間の意志では何も変えられない。でもだからこそ努力が必要だと。矢来餅、阿闍梨餅、長五郎餅たべてみた〜い。

