木洩れ日に泳ぐ魚

木洩れ日に泳ぐ魚

恩田陸
文藝春秋
ISBN:9784167729035
本棚登録:377

作品紹介・あらすじ

舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿ー共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始める。濃密な心理戦の果て、朝の光とともに訪れる真実とは。不思議な胸騒ぎと解放感が満ちる傑作長編。

感想・レビュー (5件)

あり得ないと言っても過言ではないストーリーだが、リアリティを感じたのは巧みな文章だからだと思う。しかし序盤で最後がわかってしまう作品で味気なさを感じた。

1人の男と1人の女の恋愛のお話が、それぞれの視点で描かれている。 禁断の恋に惹かれながら、葛藤する日々。 2人の微妙な感覚、細かな描写、言葉が鋭い。 読んでいると胸がクーっと締め付けられる。 シリアスであり、温かく、衝撃的なストーリー。

翌朝、引越し業者が来るまでの一夜を徹してアパートの一室で繰り広げられる男女の心理戦。一卵性双生児だと信じ込んでいたヒロとアキ。前年の山登りのガイドの転落事故がきっかけで歯車が大きく外れていく。このガイドは彼らのまだ見ない父親という設定だが、かなり不自然で無理がある。心理戦は非常に理屈っぽくて私の好みではない。でも、どちらかというと面白かった。

3/24読み終わり 読みながら続きが気になる内容。兄弟だとは知らずに出会って、惹かれあいながら、実は兄弟であることがわかり、でもほんとは従兄弟で。 自分の父親の事故死の原因を追及しながら、真実が分かって行く話。 どきどしながら読んだ。

どうなるかドキドキした いとこ同士なら👌だったかもね