
レビュー (16件)
推し活というポップな話題を「推し、燃ゆ」と古典的に題し、純文学の語り口で綴られる本物語。全編通して重たい雰囲気で語られる。学校にも家庭にも居場所のないあかりは、推し活することでどうにか生きている。その生き方は蝋燭そのもの。自分を燃やして生きながらえている。なのに突然、推しが引退発表。彼女が推しを失い、「二足歩行できなくなる」ところで物語は終わる。あかりの陥った計り知れない閉塞感。巻末で、人はなぜ推し活にはまるのかを金原ひとみ氏が解説してくれている。
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現代において多数の人が掲げている推し。推しへの関わり方だけをしたためたこの1冊は、過言ではあるがしかし否定できない内容だった。しかし著者の言いたいこと、伝えたいこと、考えが、私には理解できていないのではないかという釈然とした懐疑が残る。著者はこの作品を通して、何を伝えているのか。
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