riddele
レビュー
梅雨時の鬱々とした何とも言えない湿度を感じる時に読みたい一冊。第一巻よりもこちらの巻のほうがかるかやさんの出番が控えめなイメージです。その分、各話の主人公の見ている闇がより暗く、より得体の知れないもののように感じてぞくぞくします。ふと目に入る隙間やくらがりにドキッとする小野不由美先生の筆致がとても好きです。
営繕かるかや怪異譚 その弐
小野 不由美
Twitter上で名前の漢字の募集されていたのを見て、本になったら是非欲しいと思っていた深町先生の新作。 一枚絵のイラストではなく、イラストコミックのような短いコマ数で二人の心模様が描かれているのがとても楽しい。コマ送りでショートムービーを見ているような心地になれる。 付き合うところから、同棲して、プロポーズして、結婚するまで。ああ、誰かを好きになるっていいなあと素直に感じることのできる、優しいイラストブック。 なんだか、こういう気持ちを忘れていた気がするなあ。ふとした時に癒やしてもらえるような一冊だと思う。
ふたり綴り こうきとさち(1)
深町 なか
なろう系のお話でずっと気に入っていたシリーズの3作目。文体自体は主語や視点が同じ段落内でもかなりの頻度でいったりきたりするので、読んでいると振り回されるところがあり、体力がある時向け。 16歳になった主人公と婚約者に選ばれた隣国の王子がメインのお話で、隣国の王子が巻き込まれることになる騒動から彼を救うために奔走する主人公が良い。 1作目、2作目と見てきた背景のなかで、この3作目の本来のラスボス女王が王子にした仕打ちの残虐性は凄まじい。どうすることが一番相手を追い詰めるのか、よく分かった上で心を折りに行く。今の主人公とラスボス女王は別人格だけれど、そんなことをする自分を知っていたら主人公はさぞ自分が怖いだろうと思う。 そんな中で強く人を掬い上げようとする姿が眩しく、今後どのように進んでいくものか楽しみ。今作で初めて予知したことに関して事前に自分の側近に相談するという姿もあったので、何らかの形で今後の動き方(単独で突っ走るだけではできない行動など)が変わっていくと面白いだろうなあ。
ネタバレを読む
悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。3
天壱/鈴ノ助