匿名ユーザー
9件のレビュー
レビュー
安定の小川哲。一晩で読了。 魅力的な謎とスリリングな展開。謎に段階的に迫っていく手際の見事さ。 重厚な歴史小説からSF、ユーモア小説、そして本作のような純粋なエンタメ小説と、多彩ながら本格派の、今一番面白い小説を書く作家。
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君のクイズ
小川哲
3人の男性を主人公に据えた群像劇。 男の生きづらさをテーマにしており、今の自分が抱える問題意識にど真ん中の作品で、考えさせられることが多かった。 けれども、物語としての面白さがイマイチで、夢中になって読み進めたというより、テーマに対して作者がどういった回答を用意しているのかという結末を知るために読んだ。 描写はこなれていて流石と感じたが、傑作と呼べるかというと微妙なところ。
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たてがみを捨てたライオンたち
白岩 玄
リーダビリティが高く、ぐいぐい読ませる展開の巧さを感じた。序盤は拙い表現が多くて文章力に難ありといった印象を受けたが、後半に進むにつれて改善されていき、むしろ独特ながら思わず膝を打つような絶妙な表現も多見されるようになっていき、早々に下した低評価を覆さざるを得なくなった。 250ページ程度であの陰惨な世界観を表現し、まとめあげたのはかなりの手練だと感じた。 作者の他の作品も読みたいと思わせる怪作だった。
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死にたくなったら電話して
李 龍徳