匿名ユーザー
レビュー
読むのが苦しくなるところもあったけど、主人公の生きようとする力の強さに引っ張られた。庭の描写がとてもきれいで、かわいいきれいな力強い庭を想像した。盲導犬ジョイとの出会いが主人公を光へと導いてくれた。マリさんの存在も大きい。やっぱり人は1人じゃないほうがおもしろい。たくさんの人と繋がらなくていいけど、自分の心の内を話せる人がいる、という事実が自分の心を楽にしてくれる。1人で立ち向かうこともあるけど、それが全てじゃない。 世の中には色々な親子がいて、もっと酷い環境にいる子がいるかもしれない。それも事実。そういう子に、とわのようにたくさん物語を読んでほしい。物語を味方にしてほしい。そう思わずにはいられなかった。
とわの庭
小川 糸
千早茜さんの文章はひんやりしていて、植物たちの温度や人物の感情の温度をそのまま伝えてくれる。一香が出てきて嬉しかった。朔さんとの距離はふたりだけのものだと思う。朝倉くんも抱えてるものがとても大きくてでも朔さんはちゃんと見抜いていて。茉莉花がきっとそばにいてくれるんだろうな。香水じゃなくて香り。香りそのものが記憶。
赤い月の香り
千早 茜
お料理の本を読みたくて借りた。 食事は日々の生活の中になくてはならないもので、どんな記憶にも結びつく大切なもの。 誰かと一緒に過ごすということは、食事も共にするということ。食べるということが、どれだけ生活や心に密接なのかということがとても伝わる本だった。切ない思い出も、自分を支えてくれる食事も、作る人や食べる人の気持ちも、みんな大事でなにかひとつは経験があると思う。小川糸さんのいろんな人に寄り添う本だと思う。やっぱり食べるって大事。
あつあつを召し上がれ
小川糸
神さまって意外と自分の身近に存在しているのかも。こんな損な役回り、なんで自分がって思う人がいたら、実は福の神だったりして。なにをやってもうまくいかない、巡り合う人に恵まれてないと思う人は、実は貧乏神がわざとそうさせてくれているのかも。自分のツライことは考えようによっては、逆に自分を奮い立たせるものになりうる。 日本には八百万の神々がいて、きっと身近な小さいものにも宿っているんだろうな。一つ一つの物を大切に大切に使おう。
すべての神様の十月
小路幸也
苦しかった。こんな事件があったなんて知らなかったし、それぞれの苦しさはあれど、やはり地獄を生きたのは被害者の家族ではないだろうか。少年Aにも、莢ちゃんにも同情してしまうような、でも理解できないと思わせる。理解したらいけないのだと思う。フィクションだけど、あまりにリアルで今もこんな気持ちをしてる人がいるのだと思うと、いたたまれない。 苦しくて苦しくて現実を突きつけられた一冊。
さよなら、ニルヴァーナ
窪 美澄
まさに今わたしが読みたかった本だった。 日々の中にある虚しさをまっさらにきれいにすることはできないけど、それでいいんだと肯定してくれる本。人それぞれ大きくても小さくても悩みはあって、そのことを考えて考えて悩み抜いて生きていく。考えてないって人もきっと自分の知らないところで考えているんだろう。 心に残る言葉があったはずなのに、ふわっとしている。そんな感覚初めてだな。また少し時間が経ってから読むと少し見え方が違うのかもしれない。
ミトンとふびん
吉本 ばなな