ミトンとふびん

ミトンとふびん

吉本ばなな
新潮社 (2021年12月22日発売)
ISBN:9784103834120
本棚登録:95

作品紹介・あらすじ

愛は戦いじゃないよ。愛は奪うものでもない。そこにあるものだよ。たいせつなひとの死、癒えることのない喪失を抱えて、生きていくーー。凍てつくヘルシンキの街で、歴史の重みをたたえた石畳のローマで、南国の緑濃く甘い風吹く台北で。今日もこうしてまわりつづける地球の上でめぐりゆく出会いと、ちいさな光に照らされた人生のよろこびにあたたかく包まれる全6編からなる短篇集。

感想・レビュー (3件)

細切れな親友や母親が死んだり、残されたりする話し

まさに今わたしが読みたかった本だった。 日々の中にある虚しさをまっさらにきれいにすることはできないけど、それでいいんだと肯定してくれる本。人それぞれ大きくても小さくても悩みはあって、そのことを考えて考えて悩み抜いて生きていく。考えてないって人もきっと自分の知らないところで考えているんだろう。 心に残る言葉があったはずなのに、ふわっとしている。そんな感覚初めてだな。また少し時間が経ってから読むと少し見え方が違うのかもしれない。