あいにくあんたのためじゃない

あいにくあんたのためじゃない

柚木麻子
新潮社 (2024年3月21日発売)
ISBN:9784103355335
本棚登録:125

作品紹介・あらすじ

老若男女に贈る、強炭酸エナドリ・最高最強エンパワーメント小説集! 過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家、夢を語るだけで行動には移せないフリーター、もどり悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦、番組の降板がささやかれている落ち目の元アイドル……いまは手詰まりに思えても、自分を取り戻した先につながる道はきっとある。この世を生き抜く勇気がむくむくと湧いてくる、全6篇。

感想・レビュー (3件)

あいにくあんたのためじゃない、という題名の意図はわからなかったが、コロナ禍の影響を受けている人受けた人などの人間模様が面白かった。唯一出て来た地名が新百合ヶ丘だったことにも驚く。ワンオペ育児をしながら書いた作者ならでは の作品だと思った。

短編集。1個意味がわからないのがあった

短編集。 作者が気になるテーマをそれぞれぶちこんだ短編という印象。なので、エネドリ短編集かと言うと、そうでもないような…。私は柚木さんの感性が好きなので、いろいろなカラーの小説を読むことができて楽しかった。 SNSが生活に根深く浸透しているのは今更言うまでもないが、そのことがこれほど明示的に描かれている小説も珍しい。 今の30歳以下の作家だと、SNSがある生活が当たり前すぎて、異物としてのSNSは描けないだろうと思う。