罪名、一万年愛す

罪名、一万年愛す

吉田修一
KADOKAWA (2024年10月18日発売)
ISBN:9784041150306
本棚登録:37

作品紹介・あらすじ

横浜で探偵業を営む遠刈田蘭平のもとに、一風変わった依頼が舞い込んだ。九州を中心にデパートで財をなした有名一族の三代目・豊大から、ある宝石を探してほしいという。宝石の名は「一万年愛す」。ボナパルト王女も身に着けた25カラット以上のルビーで、時価35億円ともいわれる。蘭平は長崎の九十九島の一つでおこなわれる、創業者・梅田壮吾の米寿の祝いに訪れることになった。豊大の両親などの梅田家一族と、元警部の坂巻と...

感想・レビュー (5件)

私立探偵の遠刈田蘭平の元に福岡の梅田丸百貨店の3代目梅田翁が一万年愛すと言う宝石を探す依頼に行く。梅田は戦後、上野駅で貧困の中一緒に暮らしたみっちゃんと(とケロ)の偶然の再会で知る現在の苦悩を知り⋯

不思議な話だったけど面白かった

 ケロから聞いた物語のように遺書を2つ残してそれを謎として自分のいる島までみんなを呼び寄せた。その遺書は梅田翁としての遺書だと思っていたが、実は詩子さんとしての遺書だった。  冷凍保存されていた詩子さんを安らかに眠らせてあげる前にみんなに詩子さんを知ってもらうために梅田翁が工作をしていた。  その詩子さんの物語は戦争孤児やその後の人生としての凄惨さと3人で過ごした享楽の二面性があった。読んでいてやるせなさを感じたが最終章は題名にふさわしい感動が待っていたのでよかった

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面白かったよ! あっとゆうまに読めちゃいました!