森に眠る魚

森に眠る魚

角田光代
読者数: 95
発売日: 2011/10/31
出版社: 双葉社
ISBN: 9784575514643

レビュー (2件)

角田光代。なんて嫌な作家なんだろう。私たちの腹のうちをこんなにあけすけに描いて。自分だって見て見ぬふりをしている黒い感情なのに。全てを見透かされてる感じがして読み心地が悪い。でもページを繰る手は止まらない。作中の容子や瞳はまるで鏡に映った自分。彼女らを客観的に観察し受け入れることは、自身を認めること。こうして私はいつも角田氏の作品に責められつつ救われている。

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私も子供を持つ親として読んでいろんな意味でハラハラしました。 ママ友同士の話ということで、桐野夏生さんの「ハピネス」に似ているなぁと感じ、この作品が好きな方はハピネスも好きなのでは、と思いました。 最初は誰が誰だかわからないのに、だんだん個性が見えてきて、それぞれの母親の嫌なところが自分にもあるなぁと重なり、そういう意味で読んでいてハラハラしました。 読む人によってどの母親に嫌悪感を感じるかが違って、それによって価値観が見えてきそうな作品だなぁと。 実際にあった事件をモチーフにしているとのことで、その事件も調べてしまいました…。 本を読むタイミングって私はすごく大切だと思うのですが、自分が母親になり、この作品を読んだので、すごく面白いと思いました。いいタイミングで出会えた本でした。

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