始まりの木

始まりの木

夏川草介
小学館 (2023年8月4日発売)
ISBN:9784094072839
本棚登録:38

作品紹介・あらすじ

神様を探す二人の旅が始まる。 「少しばかり不思議な話を書きました。 木と森と、空と大地と、ヒトの心の物語です」 ーー夏川草介 第一話 寄り道【主な舞台 青森県弘前市、嶽温泉、岩木山】 第二話 七色【主な舞台 京都府京都市(岩倉、鞍馬)、叡山電車】 第三話 始まりの木【主な舞台 長野県松本市、伊那谷】 第四話 同行二人【主な舞台 高知県宿毛市】 第五話 灯火【主な舞台 東京都文京区】 藤...

感想・レビュー (3件)

偏屈な助教の古屋と彼の研究室の院生・藤崎がフィールドワークのため全国を旅をする!? 5話あるうち、お気に入りの話は第3話、信州が舞台の表題作ともなっている『始まりの木』(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠) 読後感としては〈解説〉を含めて全体的に少し難しかった。

様々な地域を民俗学的な背景もふまえて教えてくれる一冊です。 話としても面白く、勉強にもなり、旅行した気分にもなれる色々とお得な気分になれました。 各話の最後の一文が風情があって素敵です!

夏川草介「始まりの木」読了。初めての作家さん。偏屈民俗学者とその助手が日本中を北へ南へ...令和の遠野物語と帯に書かれてたので、大の遠野物語好きとしては読まない手はない。と言うことで読み始めました。 うん、面白かった。面白かったのだが... うーーーん、求めてるのはそうじゃないのだよ。こう、もっと各地にいってその土地の風俗や土着の信仰なんかを調査してその途中に遠野物語のような不思議な事象に出会ったり説話を拾遺したり...みたいなのを期待してたのだが... 。そうじゃなかった。勝手に期待したこちらが悪いのだけどね。だって帯に書いてあるんだもの。令和の遠野物語って。帯って大事だよね。 ということで本作は自分の印象として、どちらかと言うと民俗学はおかずレベル。主食は主人公2人のキャラクターを主軸としたヒューマンドラマだわ。杖をつきながらあちこち旅する偏屈な民俗学者のじいさんと、そのじいさんに魅せられて民俗学に興味を持ったあっけらかんとした性格の女子大生。この2人のキャラはとても魅力的。なので、ヒューマンドラマとしてはとても面白いと思う。現に3回泣かされたし。文体もリズム良くサクサクと読める。そう、充分面白いのだよ充分。変な方に期待してハードル上げちゃったなあ。