作品紹介・あらすじ
冬也に一目惚れした香奈子は、恋の行方を知りたくて禁断の占いに手を出してしまう。鏡の前に蝋燭を並べ、向こうを見るとーー子どもの頃、誰もが覗き込んだ異界への扉を、青春ミステリの旗手が鮮やかに描く。
感想・レビュー (2件)
短編5編のホラー。始めの2編には花子さんとコックリさんが登場する。名前を聞くだけでも怖いのに、著者はそれをさらに背筋を凍らせるストーリーに仕上げている。気に入ったのは3編目「おとうさん、したいがあるよ」。祖父母の家の掃除をするつつじと両親。その家で死体を発見する。八体も。日常生活の中に死体が八体って。日常と非日常の振り幅が大きすぎ。自分の日常にもリンクしそうでぞわっとする。昔、自分が見てる世界はみんなの見ている世界とは違うんじゃないか、と思ったことがあるけど、もしかして⋯、もしかするかも。
最初の花子さんの話がゾッとして、夜に読むのは勇気がいるかも!と思ったのですが、他の話は不思議な話でした。 「ブランコをこぐ足」と「おとうさんしたいがあるよ」はわたしには難しかったのですが、「ふちなしのかがみ」、「八月の天変地異」は面白かったです。

