「学力」の経済学

「学力」の経済学

中室 牧子
読者数: 4
発売日: 2024/6/28
出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
ISBN: 9784799330579

レビュー (2件)

教育についてn=1の体験談に振りまわされるのではなく、科学的・経済学的な手法でエビデンスに基づいて分析して論じるべき という主張自体はうなずける。 というかいままでの日本の教育政策ってそうしてなかったんだというのが驚き。 「褒めてのばす」は逆効果や、「ご褒美は子供の内発的な動機を失わせない」など本の中で語られているいくつかのキャッチーな主張は、エビデンスがあるからといって鵜呑みにはできないと思った。 行動経済学の再現性の危機のように、データを恣意的に利用することや、特定の条件下のみの事象を普遍的な法則かのようにうたうこともできてしまうので、思考停止して受け入れるのはやめたい。

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これまで、根拠となる研究の紹介がない教育評論家的な人たちの教えに少し疑問を持っていた私にとって、納得感のある本だった。 よく聞く教育のあるべき姿について、これは確かそうこれは疑わしいと自分で考えるきっかけとなった。 なにより、こどもが小さいうちにこの本を読むことができてよかった。人それぞれ形はあれど、人生の成功に不可欠な非認知スキルを育てるのはやはり小さいうち。金銭的な投資の話だけでなく、今娘と向き合う時間を大切にしたいと思った。

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