その女アレックス

その女アレックス

ピエール.ルメートル/橘明美
文藝春秋 (2014年9月2日発売)
ISBN:9784167901967
本棚登録:148

作品紹介・あらすじ

あなたの予想を全て裏切る究極のサスペンス! 監禁され、死を目前にした女アレックスーー彼女の心に秘められた壮絶な計画とは? 英米ミステリ界を戦慄させた驚愕と慟哭の傑作!

感想・レビュー (3件)

ピエール・ルメートル「その女アレックス」再読了。 すごい。やはりこの本はすごい。 再読して再認識させられる。すごい。 そしてやはりこう叫びたくなる 「アレーーーーーッッックス!!!」と。 最初にこの本を読んだ時には、主人公であるカミーユってなんか影が薄い気がしていたのだが、ちゃんと前作「悲しみのイレーヌ」を読んでから臨むと、カミーユ、おまえよく戻って来たなと褒めてあげたい気持ちになる。そしてお馴染みのメンバーである腐れ縁のル・グエン、ケチンボのアルマン、そしておぼっちゃま刑事ルイ。前巻ではおまえを疑ってすまなかった。だってなんかいいやつ過ぎて怪しかったんだもの。あとアルマンも前巻ではケチ過ぎて地道意外良いとこ無しだったのだが、今作で大好きに。 いやーしかし、ほんともっかい言うが この本は、すごい。最初から最後まで圧巻。 ミステリ好きには間違いなくお勧めします! このカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズは、本作「その女アレックス」から読み始めてもいいと言うが、個人的には絶対ちゃんと最初の「悲しみのイレーヌ」から読んだ方がいいと思います。話はわかるかもしれないが、登場人物たちへの思い入れがまったく変わります。

誘拐事件であって誘拐事件でない。予想を覆される究極のサスペンス。前半は背筋が寒くなるほど恐ろしい描写が続き(カミーユのキャラがそれを和らげてくれるが)、後半の取調べシーンはもう目を離すことができないほど物語に没頭してしまった。数々の賞を獲っただけのことはある。このシリーズはコンプリートしてみたくなること必至。