山の上の家事学校

山の上の家事学校

近藤史恵
中央公論新社 (2024年3月18日発売)
ISBN:9784120057649
本棚登録:106

作品紹介・あらすじ

離婚して一年。荒んだ生活を送っていた幸彦は、ある「学校」を紹介される。そこには様々な事情を抱える生徒たちが通っていたーー。

感想・レビュー (3件)

家事学校と言いつつ、やっぱり話のメインは自炊になるんだな、と思った。確かに食生活を全て外注すると、どういうわけか生活のクオリティが上がらないんだよなー。 テーマとしては面白いが、主人公の男性は、女性作家が考えて作り出したキャラクターという感じがした。 同じテーマで男性作家が書いたら、もっと違う葛藤だったり、内面の掘り下げができたかもしれない。そこが惜しかった。

生きていく上で、生活に必要な家事。評価されづらい家事が、さまざまな立場から見ると色んなものに見えてくる。時代の違い、性別の違いなどで、ひとくくりにされがちな家事を考えさせられた。 家族とだからこその甘えや価値観で、社会は成り立っているけど、見方をかえるきっかけになりそうな本でした。

家事とは やらなければ生活の質が下がったり、健康状態や社会生活に少しづつ問題が出たりするのに、賃金が発生しない仕事、すべてのことを言います。多くが自分自身や、家族が快適で健康に生きるための手助けをすることで、しかし、賃金の発生する労働と比べて、軽視されやすい傾向にあります。