二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ

二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ

古内一絵
東京創元社 (2021年9月30日発売)
ISBN:9784488028503
本棚登録:25

作品紹介・あらすじ

新元号が発表された日、宣伝部の砂原江見は岐路に立たされていた。長く勤めた老舗映画会社・銀都活劇が大手IT企業に買収されることが決まったのだ。社内には弛緩した雰囲気が漂い、退職者も続出していた。DVD宣伝を手がける江見の部署も、一癖ある部下たちも、この先どうなるかわからない。では銀活の名前が消えるまでに、自分は何がしたいのか。バブル、ロスジェネ、ゆとり、さとり、様々な世代から「働き方」を問いかける。

感想・レビュー (3件)

シネマの世界で働くお仕事の本。 やっぱり、古内さん、すごい。

続編と知らずに読んだけど、楽しめた。時代の変わり目に何かしようとする江見とこれまでと同じであることにしがみつく由紀子。由紀子は人間らしいけど、なるなら江見みたいになりたい。

お仕事小説の王道的一冊。 登場人物の細かい人間ドラマの描写はなかなか面白かったし、垣間見得る映画配給会社の裏側も興味深い。 自分も誰かの潮目になれるような生き方ができたら…。 同会社を舞台にした前作はまだ未読なので読んでみたい。