東京會舘とわたし(上)

東京會舘とわたし(上)

辻村深月
毎日新聞出版 (2016年8月1日発売)
ISBN:9784620108216
本棚登録:73

作品紹介・あらすじ

海外ヴァイオリニストのコンサート、灯火管制下の結婚式、未知のカクテルを編み出すバーテンダー…“會舘の人々”が織り成すドラマが、読者の心に灯をともす。大正十一年、丸の内に誕生した国際社交場・東京會舘。“建物の記憶”が今、甦る。激動の時代を生きた人々を描く。直木賞作家の傑作長編小説!

感想・レビュー (1件)

4/12読み終わり。とてもよかった!!東京會舘の大正時代から戦後の昭和30年代までが書かれている。関東地震や第二次世界大戦までを経た東京會舘にまつわる人々の物語。特に印象的だったのは、「灯火管制の下で」(戦争中に相手の顔を式当日まで見ないまま結婚式を迎えた静子・美容部の遠藤さんに心を助けられる話)、「しあわせな味の記憶」(製菓部の頑固職人気質の部長・勝目さんが、東京會舘の土産用の菓子を作る話)がとてもとてもよかった。今までの辻村美月さんの本のイメージといい意味で違った!