笑うマトリョーシカ

笑うマトリョーシカ

早見 和真
文藝春秋 (2021年11月5日発売)
ISBN:9784163911502
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作品紹介・あらすじ

親しい人だけでなく、この国さえも操ろうとした、愚か者がいた。 四国・松山の名門高校に通う二人の青年の「友情と裏切り」の物語。 27歳の若さで代議士となった男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。秘書となったもう一人の男は、彼を若き官房長官へと押し上げた。総理への階段を駆け上がるカリスマ政治家。 「この男が、もしも誰かの操り人形だったら?」 最初のインタビューでそう感じた女性記者は、隠された過去に迫...

感想・レビュー (4件)

この話はミステリーなのか、出世物語なのか。登場人物が多く、誰が清家一郎を操っていたのか?次々と替わる展開が面白い。マトリョーシカという聞き慣れない言葉が読んでいて、更に神秘的になる。登場人物にもいろいろ繋がりがある。道上記者の執念の追求が凄い。

出だしは青春成長物語だったが、後半突然ミステリーに。急な転換と、徐々に増える登場人物に混乱しつつ何とか読了。登場人物が多くなるのはミステリーの特徴なのかな。 物語は『清家一郎育成シミュレーションゲーム』といった感じ。登場人物の誰もが、ゲームのコントローラーは自分!と信じているも、突然の強制退場で謎が深まる。 人間が作ったロボットに人類が滅ぼされる、といったSF作品に擬えながら読んだ。 ニセモノなのかホンモノなのか掴みどころのない清家をうまくマトリョーシカで表現している。

面白かった。 単純に「誰がハヌッセン」ということではない。