半暮刻

半暮刻

月村了衛
双葉社 (2023年10月18日発売)
ISBN:9784575246810
本棚登録:35

作品紹介・あらすじ

児童養護施設で育った元不良の翔太は先輩の誘いで「カタラ」という会員制バーの従業員になる。ここは言葉巧みに女性を騙し惚れさせ、金を使わせて借金まみれにしたのち、風俗に落とすことが目的の半グレが経営する店だった。〈マニュアル〉に沿って女たちを騙していく翔太に有名私大に通いながら〈学び〉のためにカタラで働く海斗が声をかける。「俺たち一緒にやらないか……」。二人の若者を通した日本社会の歪み、そして「本当の...

感想・レビュー (3件)

良かった😥

全然期待せずにぱっと図書館で借りたのですが、とてもおもしろかったです。他の作品も読んでみたいです。 カタラで同志だったショウタとカイトの正反対の生き方、社会の構造?にモヤモヤしながら読みました。 ショウタに同情的に感じたのは本人捕まってるし反省してるから、というよりは自分の優越感からなのか…。カイトにイライラしながら読んだのは、カイトが反省していないというより、カイトという上級国民への嫉妬なのか…。やった罪は一緒なのになぁとか思いながら読みました。 グレーかホワイトか黒かなんて紙一重だなぁと思ったり。もはや「ホワイト」ってなんだろう?何に対してホワイトなんだろう?と考えたり、日本政府がますます信用できなくなったり。色々考えさせられた作品でした。