
ちりめんじゃこ
2025年4月24日
非常に美しい。著者の凪良先生の作品は、登場人物それぞれの人間らしくて生々しい凪のような心情変化に巧みに起承転結を伴わせ、最後には清々しい気分にして終わらせてくれる。感情移入させるのに非常に卓越している文章構成で、主人公の井上暁美と青埜櫂の状況的な苦しさや心情の移り変わりに比例して、気分が鬱々しくなり不快感やむかむかまで感じるほどの技巧さである。2人が再び巡り合うまでのまったく別々の人生歩む期間にも、それぞれの喜怒哀楽を伴う人生があり、それにより影響される人生観があり、すべての経験を経て今があり今の考えになれるのだと思った。世間が"異常"と判断することはたくさんあるが、当人が自分や想う相手のためを思って決断したことを他人は評価できないし、その評価には何の意味も持たない。

汝、星のごとく
凪良 ゆう
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