
らいか
2025年1月25日
逢坂冬馬「同志少女よ、敵を撃て」読了。 タイトルと表紙の絵のカッコ良さから、ドキドキワクワクするお話を想像して読んでいたのだが、 戦争の狂気をガツンと喰らわせられた。 ただ、こう書くと面白くなかったのかと思われてしまうかもしれないが、面白く無いわけでは無い、面白い。 面白いのだが、いつもこういう小説を読んだ時に、面白いと言っていいのだろうかとも煩悶する。でもなんと表現すればいいのだろうか。ああ、語彙力が欲しい。 田舎で母と幸せに暮らしていた心優しき少女セラフィマ。突如その幸せが侵略される。復讐のために生きることを決める少女。戦場で狙撃手として、どう戦い、どう生きて、どう変わっていくか。戦争という狂気が穏やかな人の心をどう変えて行くか。復讐とは。そして、復讐を果たした後に何が残るのか...。 主人公のセラフィマはもちろんのこと、イリーナ、シャルロッタ、アヤ、ヤーナ、オリガ、ターニャ、登場人物たちがとても魅力的なだけに、読後に残る余韻がすごい。 そして最後に参考文献を読んで驚き。劇中に出てくる史上最高と呼ばれる女性スナイパー、リュドミラ・パブリチェンコが実在の人物だったのか。あと、「戦争は女の顔をしていない」も実在の本だという。この本は漫画でもあるようなので、読んでみるかな。
同志少女よ、敵を撃て
逢坂 冬馬
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