海と毒薬改版

海と毒薬改版

遠藤周作
新潮社 (2003年5月1日発売)
ISBN:9784101123028
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感想・レビュー (3件)

実際にあった事件をモデルにしているだけに、携わった者たちの心情がリアルに伝わるが、彼らにこの行動を起こさせたのは戦争であり、あの時代なのである。医療ミステリの要素もあり、読後はズシッとした重厚感が残った。あの時代が残した意味を考えさせるためにも、後世残ってほしい作品である。

日本人にとって“西洋的”神が不在という事実はどんな影響をもたらすのか。転向とは信仰心とは倫理とは罰とは。ドラマチックな展開に唸らされつつも、基督への愛とその沈黙に絶望するパードレ、良心の呵責を感じない己を不気味に思う戸田。

何か大きなものに流されていく「日本人性」みたいなものはきっと私の中にもある。