作品紹介・あらすじ
あらゆる差別はマジョリティには「見えない」。日常の中にありふれた
排除の芽に気づき、真の多様性と平等を考える思索エッセイ。
プロローグ あなたには差別が見えますか?
I 善良な差別主義者の誕生
1章 立ち位置が変われば風景も変わる
2章 私たちが立つ場所はひとつではない
3章 鳥には鳥かごが見えない
II 差別はどうやって不可視化されるのか
4章 冗談を笑って済ませるべきではない理由
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感想・レビュー (1件)
うーん。思っていた通りの内容だったけれど、後半の差別を社会的合意があってから解消しようとするのは、「本質的に多数決原理の限界のために生じた現象である差別を多数決を用いて解決しようとすることは、正しい解決策になりうるのだろうか」というところで「はっ」とさせられた。マイノリティ側は好きでマイノリティになっているわけではないのにマジョリティ側に「認めてあげる」と言われない限り、差別を受けなくてはいけないのか、というのはあまりに横暴すぎると気付いた。ガート・ビースタも言ってたけど、これって民主主義の熟議型モデルと多数モデルじゃん。多数モデルってかなり乱暴なことだよね。あと、差別解消法を制定するのに認められにくいものは除外して認めるっていうのは一見合理的に見えるけど(もちろん認められなかったものも認められるように努力し続けるという前提があったとしても)、それは差別を暗に認めることに繋がるっていうのもとても納得した。だからこそ「あらゆる差別」を解消しようとし続けなくてはいけないのだよね。これってインクルにも繋がってるよね。あとは『差別されないための努力』を『差別しないための努力』にかえるというところがずしんときた。私もここで出ている映画の『わたしたち』のように相手に都合のよいことを言って、他人を差別してた。うん。やめたい。あと、反省しろっていうのではなく、自分の間違いを認めて、修整する義務は確かにだれにでも必要なことだよね。なんか、今読んでいる柄谷行人と蓮實重彦の対談集の共同体というのにもとても繋がっていたと思った。